燕署(石口英治署長)は11日、同署でオレオレ詐欺を防いだ第四銀行燕支店(高橋浩司支店長・燕市仲町)と架空請求詐欺を防いだドコモショップ三条店(小林真人店長・三条市須頃)に対し、それぞれ事業所と担当者に署長感謝状を贈って功績をたたえた。
第四銀行燕支店は副支店長の田辺威さん(45)と担当した支店長代理の高木志津子さん(54)、窓口担当の西沢希さん(27)、ドコモショップ三条店は店長の小林真人さん(38)と窓口担当の宮島愛さん(37)さんにそれぞれ石口署長から感謝状を手渡した。
第四銀行燕支店では21日、西沢さんが同店窓口を訪れた燕市八王寺に住む70歳代の女性から「息子の口座から100万円を引き落としてほしい」との依頼を受け、引き落とし理由を詳しく聞いて不審に思い、上司の高木さんと連携して説得に当たるととともに、警察に通報するなど機転を利かせた対応でオレオレ詐欺被害を未然に防止した。
女性は300万円を犯人に300万円を用意するように言われ、すでにほかの銀行で自分の口座から200万円を引き落とし、足りない100万円を息子の第四銀行の口座から引き落とそうと燕支店を訪れた。家族であっても本人ではない口座の預金を引き落とすには本人の意思確認が必要で、本人に電話で確認したところ、本人は金を用意するよう頼んでいないことがわかった。高木さんと西沢さんは前任地の十日町支店でもふたり一緒に詐欺の未然防止で感謝状を受けており、西沢さんはそれに続いて2回目、高木さんは十日町支店と燕支店の2回ずつの計4回目の感謝状で、オレオレ詐欺の最強のゲートキーパーだ。
燕支店自体も感謝状を受けたのも昨年から数えて3回目。田辺副支店長は、詐欺被害の未然防止のため来店者への問い合わせを増やしており、「ときにしかられることもあるが、最終的に犯罪をなくしたいと職員が未然防止に努めている」と話した。
ドコモショップ三条店は23日、窓口対応の宮島さんが窓口を訪れた燕市灰方に住む60歳代の男性から「サイトの運営会社からメールが来て料金未納で訴えるなどと言われた」といった相談を聞き、「詐欺だと思うので支払う必要はない。すぐに警察にも相談を」などと伝えたほか、携帯電話の番号変更の手続きをとり、架空請求詐欺被害を防止した。
男性は運営会社に言われるようなサイトにアクセスした覚えはなく、30万円を要求されていた。窓口の宮島さんの話では、ドコモから料金を請求されていると誤解する人が多く、架空請求に関する相談は多いと言う。一方で被害者が通報することがめったにないようで、燕署ではサイト利用料の架空請求に関する通報は今回が初めてのようだ。小林店長は「スタッフに協力してもらい、携帯電話を安心、安全に使えるよう指導をしていきたい」と話していた。
石口署長は、卑劣な犯罪に対して社会正義の実現のために防犯教育をしていることを評価し、「水際で犯罪を阻止していただき、未然防止できたことは非常にありがたい」と感謝した。