9日から15日までの秋の火災予防運動の一環で、三条市消防本部は11日、電気、ガス、暖房機器の関係機関とともに市内のひとり暮らしの高齢者世帯を訪問し、防火指導を行った。県内では唯一、暖房機器メーカーなどが連携した防火指導を長年続けていることから、今回は新潟県防火対策推進会議の視察も行われた。
本格的な寒さを迎える前に、暖房機器など火を使う器具の使用に伴う火災の発生を未然に防止しようと関係機関が連携し、65歳以上の単身世帯を訪問している。
昭和61年7月に東北電力(株)の主催で始まり、同年11月に主催が三条市消防本部に移り、東北電力(株)、北陸ガス(株)、(株)コロナなどが参加して続き、ことしで29年目となった。
今回も同本部、東北電力、北陸ガス、コロナ、栄ガス消費生活協同組合、下田プロパン販売同業組合の6機関が参加。午後1時半に同本部に集合。各機関から1人の4人編成で4班に分かれ、三条地区8、栄地区3、下田地区3の計14世帯を訪問した。
あわせて、県内でこれだけ組織的に防火指導をしている自治体はないとして、県の住宅防火対策推進協議会の五十嵐由利子会長が同行して視察を行った。
馬場和江さん(82)宅では、消防職員による住宅用火災報知機の設置など火災予防についての注意点や災害時の避難場所の確認をはじめ、電気の配線や配電盤、ガスコンロや湯沸かし器の燃焼や配管、石油ファンヒーターの点検などを行った。
馬場さんは、「見てもらえてよかった。気持ちのうえでも安心できるわね」、「(ファンヒーターの)外側はふいてるけど、中のことはできないから。良かったです。きれいにしてもらって」と感謝した。
同行した五十嵐会長は、プロの4つの機関が一緒になって長い期間、活動していることに敬意を表したいとし、連携が重要とした。高齢になると目が届かない部分もあり、見てもらった本人も気を付けるようになるし、安心できると取り組みを評価した。
また、家の中から外回りなど、わかっていてもできない場所や気付かないところをチェックしてもらうことや、全国の出火原因の1位はたばこだが、新潟県の場合はストーブとし、そのストーブ(暖房機器)の点検をしてもらえることも、居住者の安心につながると話していた。