10月2日から5日まで開かれた「燕三条 工場(こうば)の祭典」の報告会が12日開かれ、事務局からことしの実績や参加工場の感想の報告などを行った。
燕三条地域の工場を開放して自由に見てもらうイベントで、昨年に続いて開かれ、ことしは昨年より5拠点多い59拠点の工場が開放された。
報告会には、参加企業などから約50人が出席。事務局の報告では、ことしの来場者は昨年より会期が1日、短かったにもかかわらず、昨年の1万0,708人を18.3%、1,953人上回る1万2,661人だった。
うち県外来場者は昨年並みの40.7%、訪問工場数は昨年の1人平均1.9工場から4.3工場へ大きく増えた。製品購入率も昨年21.7%を大きく上回る42.2%、満足度は昨年の63.9%を上回る79.6%。販売金額は約480万円で昨年を100万円近く上回るなど、軒並み昨年実績を上回った。
ただ、ことしは新たに三条鍛冶道場で参加企業の商品1点ずつを販売したが、売り上げは7万0,944円とふるわなかった。
参加工場も報告した。実行委員長の日野浦刃物工房の日野浦睦さんは、ことしは新たに参加工場でレセプションを行ったが、日野浦刃物工房のレセプションには首都圏をはじめ遠くは北海道から24人が参加して好評で、雑誌の取材が増えたと話した。
庖丁工房タダフサの曽根忠幸さんは、昨年の来場者に案内を出したところ、初日の来場者の半分が以上がリピーターだったと話した。来場者から働いてみたいという声があり、レセプションで行ったプロジェクションマッピングが好評。来年は取引先も呼ぼうと思っている。
武田金型製作所の武田修美さんは、来場者は昨年を下回ったが売り上げは昨年を上回った。昨年はフリーで来場してもらったが、今回は時間が区切ったために来場者が減ったのではと分析。レセプションではご当地アイドル、RYUTist(りゅーてぃすと)のライブを行ったが、ライブ後も多くのファンが残ってくれ、最初はライブに渋っていた同社の職人から来年もやろうと言われたことを喜んだ。
山崎研磨工業の山崎正明さんは、ワークショップでカップより難しい日本酒の酒器を磨いてもらったが、12人の体験者がうまく磨いたことに驚いた。
ほかにも「内向きだった社員が当日が近づくにつれて目の色が変わってきた」、「オプショナルツアーは初めてだったが、参加者から良かったという声が多かった」、「一過性のイベントとしてでなく、地域づくりという部分でメディアの認知度が高まっている」といった声があった。
昨年に続いてアドバイザーを務めた株式会社メソッド代表取締役の山田遊さんは、昨年を上回る実績を喜び、「あらためて浮き彫りになった課題に対する改善を繰り返すことで3回目も続いていく」。ほかの地域でも同様の取り組みが進んでいるが、「常に先頭で走り続けるイベントでありたい」とし、12月から始まる来年の参加企業の募集への申し込みにも期待した。
サイトでの情報公開を早くしてほしい、事務局の負担を軽くしてほしいという声がある。来年に向けて粛々と準備を進めていけば「必ず結果としてあらわれてくる」と関係者の協力を求めた。