2004年、旧吉田町の合併50周年記念事業として当時の吉田町まちづくり実行委員会「手紙のタイムカプセル」を行った。10年後の自分にあてた手紙を10年後に届けるという事業。ことしでその10年を迎え、14日午後2時から吉田産業会館で発送式が行われた701通が10年ぶりに本人へ向けて発送された。
この事業は、吉田町まちづくり実行委員会の3つのグループのうち「ぎょうじ見直し隊」(富所寧代表・14人)が行った。1通200円で旧吉田町民から募集し、寄せられた701通を保管。ちゃんと保管されているかを確認するという名目で毎年、欠かさずメンバーで懇親会も開いてきたので、10年の間、この手紙の存在がメンバーの頭から離れることはなかった。
発送式には「ぎょうじ見直し隊」のメンバーだった14人のうち7人が出席。事業の発案者でもある当時の副代表、八子勇さん(81)=燕市吉田神田町=から越後吉田郵便局の田中宏史課に手紙が詰まった真っ赤に塗られた段ボール箱を手渡した。八子さんは「10年間、わが子を育てるように見守ってきた」と感無量だった。
八子さんは元大河津郵便局長。1985年の科学万博つくば'85で16年後の2001年に自分に手紙のタイムカプセルを届ける「ポストカプセル2001」という企画を利用したことから、合併50周年記念事業のひとつに提案し、採用された。
八子さんは、科学万博つくば'85の手紙のタイムカプセルが届いたときは「忘れていたので16年ぶりに突然、届いてびっくりした。家族の前で手紙を披露して、少し恥ずかしい部分もあった」と言う。今回の手紙の内容はほとんど覚えていないが、開けるときを楽しみにしている。手紙は早ければ翌15日も利用者の手元に届く。