鍬(くわ)をはじめとする農具メーカー(株)相田合同工場=相田聡社長・三条市田島1=は、22日午前10時から三条市下田地区の中浦ひめさゆり森林公園で「第2回 鍬の修理相談会」を開き、古くなったり壊れたりした鍬の修理やメンテナンスなどの相談を受け付ける。
相談会は、午前10時から正午まで、相談は無料。あわせて、新製品の紹介なども行う。市内外のだれでも参加できる。
同社は昭和5年(1930)の創業で、鍬を作り続ける一方、10年ほど前から本格的に修理に取り組むようになった。それ以前も要望があれば修理の注文を受けてきたが、鍬を修理するなかで自社製品をPRしようと修理を前面に打ち出した。以来、修理のニーズは高く、県内外での修理のイベント開催やインターネットの普及などもあって、全国各地から修理の依頼が寄せられている。
現在も毎月、県内外で鍬の使い方などのワークショップや修理相談会を開いているが、三条市下田地区での修理相談会は初めて。相田社長が参加するNPO法人「三条寄縁(よろぶち)の会」が中浦地内の休耕田を借りて里山再生事業に取り組んでいることで、地域の人との交流が生まれ、開催の要望を受けた。
冬に向かう県内では年内最後の相談会になるかもしれないので、地域の人をはじめ、地域外の人もこの機会に相談を呼びかけている。
また、相田社長は、修理をしていてショッキングなことがあると言う。直せないために家に放置していたという人も多く、なかには「じいちゃんが使っていたのに投げておくのは忍びない」、「親の形見なので」、「親父が使っていたものを使ってみたい」など、「どうしても直してもらいたい」という需要もあると言う。
いろいろな人や家族の物語も見えてきて、あらためて日本を農業が支えてきた仕事なんだと思う、何が出てくるかわからないのが修理とも話し、道具の再生ではあるが、ただの道具ではないという人たちの思いも受け止めていた。