三条市立長沢小学校(湯浅昭司校長・児童119人)は20日、避難訓練を行い、三条署の指導も受けて学校外で不審者に遭遇したときの対応を訓練した。
同校は年3回、火事、地震、不審者の校内への侵入に対する避難訓練を行っているが、不審者への対応訓練は初めて。全国で子どもの連れ去りなど悲惨な事件が相次ぐなか、登下校や帰宅後など学校から離れた場所では、児童自らが危険を回避するなど、自分の身は自分で守ることが大切として行った。
体育館で児童と教職員のほかに保護者と三条署員も参加して行った。教職員が三条署の指導を受けて制作したシナリオを元にいくつかのパターンで寸劇を行い、その対応のどこが悪かったのか、どうしたら良かったのかなどを児童に考えてもらった。
下校時、ランドセルを背負った小学生に、「長沢小学校までの道を教えて」と車に乗った不審者が近づき、連れ去ろうとする不審者への対応を想定した場面では、何も言わずに小学生を引っ張って車に連れ込んだり、説明する児童に「わからないから一緒に車に乗って」と頼んでくるパターンなど数通りを見せた。
児童の意見を聞きながら、知らない人の車に乗らない、引っ張られないくらいの距離感を保つこと、警察から配布された緊急ホイッスルを吹き鳴らすことなどの対応を演じた。
また、後ろから不審な人がついてきた場合の想定では、後ろにも気を配って歩く、距離をとる、追いかけてくるような場合は、緊急ホイッスルを吹く、近所の家に逃げ込むことなどの方法で対応し、ふだんから明るいうちに帰ることや大勢で帰ることなど気を付けるようにと注意を促した。
湯浅校長は児童たちに、訓練で学んだことをしっかりと行動に移せるようにと述べ、登校班では一列でかたまって歩き、ひとりだけ遅れたりしないように、下校時などひとりになるときは、後ろにも十分気を付けるよう注意した。
また、「あいさつのいい町には悪い人たちは近づかないと言われている」として、「すれ違った人におはようございます、こんにちはと声をかけて」、「ぜひ地域で会った人に声をかけて、悪い人が来ない安全な町に」と求めた。