鈴木市長は26日行った定例の記者会見で、燕市内の3歳の要保護児童が母親に殺害された事件に伴い、12月1日付けで人事異動を行って急増する要保護児童を担当する部署の体制を整備するほか、家庭児童相談員の増員を図るとした。
鈴木市長は、平成23年度の要保護児童は29人で、児童福祉係が兼務する形で対応したが、翌24年は38人に増えたため、同年10月に専任の臨時保健師1人を配置して対応。25年度は46人となり、今の家庭児童相談員2人を配置した。
今年度は75人と急激に増え、専任の2人に加えてほかの係の兼務を増やした。「毎日、増えているような状態で追っつかない」が、できるだけ充実を図りたい考え。しかし、対応できるだけの経験や知識をもった人の確保は難しく、とくに年度途中はなおさらだが、「できるだけ確保できるような努力をしたい」とした。
今回の事件については、担当の社会福祉課と保育園から誠心誠意、対応してきたと報告を受けており、県の児童相談所や三条地域振興局の専門機関とも相談、協議して判定を下し、対応を相談してきたと認識している。
ただ、結果として幼い命が失われた重大な事実には「燕市として謙虚に真摯(しんし)に受け止めなければならないと考える。今後も県の児童相談所など専門機関と協議しながら今回のケースを十分に検証し、今後の燕の要保護児童対策に生かしたい」。
また、児童に身体的虐待の形跡は見られず、母はしっかり指導を受け止めて実践していたなかで発生した、県の児童相談所としてもまれなケース。「どういう対応すれば良かったのか、どういうサインをキャッチすれば良かったのかというあたり、専門家を交えて検証する必要がある」。県と担当部署で検証作業について協議中で、その結果を踏まえてできる限り速やかに検証作業に入りたいとした。