三条市の中学生シンガーソングライター、佐藤ひらり(英里)さん(13)のデビュー・ミニアルバム「なないろの夢」が26日、リリースされた。県内でも店頭販売が始まり、メジャーデビューという新たな一歩をスタートした。
アルバムは、シンコ―ミュージック・レコーズからリリース。『なないろの夢』、『みらい』、14年書下ろしの新曲『レインボー・スマイル』、『アメイジング・グレイス』などオリジナルを含んだ7曲を収録。税別1,852円。
ひらりさんは視神経低形成のため生まれつき全盲だが、5歳でピアノにふれ、9歳で初めてのオリジナル曲『みらい』を作詞作曲。三条、燕、弥彦など地元をはじめ、これまでにも県内外、さらにはアメリカ、イタリアなど海外へ渡って歌声を届け、さまざまな音楽コンテストで賞を受けている。
ひらりさんの地元三条市が創業の地でもあるコメリグループの(株)ムービータイムでは、同社が運営する書籍専門店「コメリ書房」の県内全8店舗でひらりさんのCDを販売。三条市須頃3、コメリSC内の三条店でも26日からレジ前のカウンターにCDを置き、ポスターも掲示してアピールしている。
同社の大塚雄三新潟地区本部店舗運営課エリアマネージャーは、「(ひらりさんが)目が見えないのに頑張っているということもあるが、本当に実力があると思っている」、「地元にこういう子がいるということを多くの人に知ってもらいたい」と、三条市出身で頑張っているひらりさんを応援している。
ひらりさんのCDの取り扱いは、数年前に自主制作CDをひらりさんの母、絵美さんが同社に持ち込み、取り扱いの依頼を受けてからの縁。
近年はインターネット販売などの普及からCDを店頭で購入する人は減り、県内のCDショップは数えるほど。「コメリなら、おじいちゃんやおばあちゃんなど幅広い年代の人に見てもらえる」ということから、書籍専門店としてふだんはCDの販売はしていないが、県内では8店舗を展開する同店の取り扱いを決め、ひらりさんを応援している。
メジャーデビューの第一歩を踏み出したひらりさんは、「たくさんの方に聴いてもらえると思うとうれしい、と同時に責任も感じています」と言う。「なないろの夢」が店頭に並んだ新潟のCDショップで自分の曲が流れているのを聴いたときは、「すごいうれしかった。わたしの曲が流れていて舞い上がりました」と声を弾ませていた。