1日夜からの強風が続くなか2日昼、燕市内で工場の屋根のトタンがはがれて落下し、飛んだ部品の一部が近くの幼稚園の窓ガラスを割った。この事故によるけが人はない。
午前11時55分ころ、燕市新町、株式会社ヨシカワの屋根のトタンが風ではがれ落ちた。約800平方メートルの屋根の片側、さらにその4分の3くらい約300平方メートルが風でめくれ上がり、複数の建物がある敷地内に落ちた。
これに伴って風下側には、トタンの下に敷いてあった黒い防水シートが散乱した。放置しておいては危険なため、きょうのうちに解体業者によってはがれたトタンや屋根に残っているトタンをはがす予定だが、強風が続いているため作業できない可能性もある。
三条ではこの日、午後4時までに瞬間最大風速20メートルを記録している。現場は中央橋から中ノ口川を下流へ約150メートルの左岸側堤防のすぐ下。川のある南側の屋根のトタンがはがれ、くしゃくしゃになって東側に落ちた。敷地の東側には、細い道路をはさんで燕市立燕東幼稚園(園長・外山健蔵燕東小校長・園児27人)があり、トタンを固定していたと思われる金属部品が飛んできて窓ガラス1枚に穴を開けた。
幼稚園の建物を超えて反対側にも防水シートが散乱しているばかりか、長さ2メートル近くあるトタンの一部が落ちていた。
トタン屋根がはがれたとき、幼稚園では園児が遊戯室に集まって遊戯会の発表の練習をしているところだった。横田和子副園長は「屋根がはがれた音は聞こえなかったが、ごーっという大きな風の音がして少し暗くなった感じがした」と言う。
なおトタンが飛んで来る可能性があるため、会社のある西側の駐車場を使用禁止にし、園内も会社に近い教室は子どもたちが入らないように廊下に三角コーンを立てて立ち入り禁止にし、その後は全園児が遊戯室で過ごした。
避難も検討したが、この日は4時まで残る園児はなく、全員が2時半に降園のため見送った。横田園長は「考えようによってはこれくらいですんで良かった」と話していた。
また、午後3時半までに燕市役所には市内で強風による被害の連絡は届いていないが市内278カ所に設置した衆院選のポスター掲示板のうち約5%、10カ所以上で風で倒れたり、斜めになったり、がたついたりといった被害があり、市選管では業者に修繕を発注した。