今回は鉄道の話とは少し離れて雪の話を書いていきたいと思います。
新潟県の平野部でも初雪となり今年も本格的な冬シーズンが到来しました。前の冬は山梨県や関東地方で記録的な大雪となり大きな被害となりました。被害に遭われた方に改めてお見舞い申し上げます。
ここでひとつ、気になったことがあります。
「これまでで全国で一番雪が積もった都市はどこだろう?」
ということで、都道府県庁所在地を対象として調べてみました。データは気象庁「過去の気象データ」のページから過去50年間(1965〜2014)で見ています。
では、さっそく最大積雪トップ10を発表します。はたしてトップはどこか?。やっぱり青森市か?それとも札幌市?いやいや、豪雪地帯で知られる我が新潟市か?。
青森市をわずか1cm差で上回りトップになったのは福井市でした。正直なところ、ちょっと意外な結果です。
北陸地方が豪雪地帯だということは知っていましたが、まさか福井市が青森市を上回るほどとは思いませんでした。富山市(3位)、金沢市(5位)と北陸地方の都市が上位にランクインしています。太平洋側の都市がなく、日本海側の都市ばかりがランクインしているのは予想通りでした。この冬に大きな被害となった甲府市は7位。2000年以降のデータでは唯一のランクインで、前シーズンの冬の大雪の規模の大きさがよくわかります。
あれ?新潟市は?
はい、新潟市は11位(87cm)でランク外でした。山陰の鳥取市や松江市よりも下位になってしまいました。新潟県内でよく言われる「新潟県の山間では豪雪になるが、新潟市の雪は大したことない」というのはデータからも言えることのようです。
青森市の雪が最大のはずだ!データが間違っている!と思う方もいるかもしれないので、過去50年ではなくデータが載っている限りでトップ3を見てみるとこんなことになります。
やっぱり福井市がトップでした。差が縮まるどころか1cmの差が4cmに広がりました。福井で最大積雪深を観測したのはいわゆる「サンパチ豪雪」の時のデータです。
さて、上記の2つのデータは「最大値」でのランキングです。各年の最大値をならした平均の値で見てみるとランキングの様子が少し変わってきます。
ここで青森市がトップに立ちました。新潟市も9位に入り、日本海側の都市でほぼ独占されるなか、太平洋側の盛岡市が10位に入りました。
青森市と札幌市が平均でも100cmを超え、3位の富山市とは30cm以上の大きな差が出ています。
このデータから言えることは、青森市や札幌市では毎年のように100cm程度の雪が積もり、北陸地方の各都市では例年は50cm前後の積雪があり、数年に一度、ドカンと大雪が積もるということでしょう。新潟県に住むものとして、なんとなく感じていたことがデータにも現れたという感じです。
前シーズンの大雪では関東地方での除雪体制の弱さが指摘されました。これを受けてJR東日本八王子支社では新たに除雪用の車両を配備することが決められました。
気象庁の長期予想ではこの冬の積雪量は平年並みとされています。前シーズンのようにランキングが入れ替わるような大雪にならないとも限りません。
「天災は忘れた頃にやってくる」
日頃からの備えが大事ですね。
(藤井芳輔)