日本のロータリークラブがロータリー米山奨学金を受けている留学生と地元の中学生から交流してもらおうと、燕ロータリークラブ(遠藤重治会長)は5日、燕市立燕中学校(高畑秀紀校長・生徒640人)の2年生202人を対象に初めて異文化セミナーを開き、新潟国際情報大学のコーディネートでワークショップなどを行った。
ロータリー米山記念奨学会は、日本全国のロータリークラブ会員の寄付金を財源とした民間最大の奨学団体。今年度の小学生は724人を数える。
国内には約2,300のロータリークラブがあり、1つのクラブが、1人の奨学生の世話クラブとなり、米山奨学生は世話クラブの例会に月に一度出席、交流し、ロータリーの奉仕の心も学んでいる。
今回の異文化セミナーは初めての取り組み。国際奉仕委員会(青柳修次委員長)が初めて企画した。県内の米山奨学生8人とその友だちの留学生12人、合わせて11カ国の20人が参加。協力を依頼した新潟国際情報大学の佐々木寛教授がコーディネーター、同大学学生の国際交流インストラクター10人もファシリテーターとして参加した。中学校側は、職場体験があって来年3月に修学旅行へ行く2年生から見聞を広めてもらうねらいで受け入れた。
体育館が会場で、30カ国以上を旅した佐々木教授が体験した海外事情などについて講演したあと、グループに分かれてワークショップを行った。米山奨学生の出身国についてのイメージを紙に書き出したり、米山奨学生にふるさとのことを話してもらってクイズをつくったりした。
米山奨学生は中国、韓国、フィリピン、インドネシア、マレーシア、東ティモール、トーゴなど。東ティモール、トーゴとなると、どこにあるか検討もつかず、日本語が堪能な米山奨学生の話を興味深く聞いていた。
「わたしはジャングルの中から新潟に来た」と話すインドネシア出身の女性は、小学校へ行くのに2時間かかり、本が濡れないように上に上げながら川を泳いで渡ったが、「学校は楽しくて、苦しいとも感じなかった」。
町へ引っ越して中学校から働きながら大学まで自分で授業料を払った。「お金がなくても希望があれば夢が実現する」、「将来はインドネシアのために何かしたい。皆さんも新潟のために、ふるさとを思って」と熱く語り、中学生はまったく自分とは違う環境に聞き入っていた。