未来の生活を考える会・三条は7日、三条市環境啓発施設「かんきょう庵」で新潟工科大学建築学科の深沢大輔教授と前橋工科大学建設学科元教授の濱嶌(はましま)良吉さんを講師に講演会「『三条地震』発生の可能性と道心坂最終処分場の地震への対応策」を開いた。
30人余りが参加し、「道心坂を通る吉野屋断層」、「新三条地震の発生の可能性」、「新三条地震による道心坂埋立地の被害」の3つの項目に沿って、深沢さんと濱嶌さんが話した。
深沢さんは、新潟工科大学建築学科教授、工学博士、一級建築士。長岡市生まれで長岡高校卒、横浜国立大学建築学科卒、東京大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了。
濱嶌さんは、前橋工科大学建設学科元教授、工学博士。名古屋工業大学大学院修士課程修了。地殻変動解析による地震発生の中期予知。現在、マレーシア・クアラルンプールに在住してインドネシア地震の発生メカニズムについて研究している。
深沢さんは、東日本大震災による岩手県大槌町の震災がれきの長岡市(栃尾)での受け入れに反対した。主催の未来の生活を考える会では、受け入れを表明した県内5市の反対運動を行ったことなどが縁で、道心坂最終処分場付近に活断層があることや三条から新潟にかけて地震の空白区域と予想されていることなど深沢さんの考えを知り、今回、講演を依頼した。
講演会では、869年(貞観11)の貞観地震から1670年(寛文10)の寛文西蒲原地震、さらに北陸自動車道栄PAの南西1kmの芹山が震源とされる1828年(文政11)の三条地震などの歴史、県内外の断層やプレート、地震のメカニズムなどを説明し、次に起こるのは「新三条地震」、吉野屋断層、震源が道心坂埋立地付近と予測した。
さらに、近年の地震や火山活動も示し、「日本がそういう大変な時代にはいっていると認識している」と、東京五輪の開催も心配した。聴講者には、自分の身は自分で守るという意識をもち、実際に起こることと思って地震に備えてほしいと話した。