燕市と三条市の金属工芸作家6人を会員とする水燕鎚工会(すいえんついこうかい)の作品展が、5日から21日まで燕市産業史料館で開かれており、会員が制作した作品45点が展示されている。
銅板をつちでたたいて打ち延ばしたり、打ち縮めたりして継ぎ目の無い器物を作る“鎚起(ついき)銅器”の作品が中心。香炉、花器、水盤、風炉釜、建水から抽象的な造形作品まで。たがねで金属を彫る彫金を施した作品も。毎回、テーマを決めた作品も制作しており、今回は「春夏秋冬」をテーマにした作品を展示している。
異なる金属をつなぎ合わせた“接ぎ合わせ(はぎあわせ)”や違う金属をはめ込んだ“象嵌(ぞうがん)”、銀の打ち込みなど、ふだんの製作では手掛けにくいさまざまな高度な技術を過剰なまでに駆使ししており、見どころがいっぱいだ。
水燕鎚工会は、結成当時の会員が住んでいた旧分水町(今の燕市)の“水”と燕市の“燕”がその名の由来。互いに技術を研究する場として1988年に発足。初期メンバーには燕市の人間国宝の金工家、玉川宣夫さん、彫金作家の市川正美さんも名を連ねた。同史料館での作品展は毎年恒例で13回目になった。
日曜は午後2時から会員による作品解説会を開いている。7日は会長の高橋純一さんと細野五郎さん、14日は石高靖男さんと岡本国雄さん、21日は椛沢伸治さんと岡本秀雄さんが担当する。椛沢さんが三条市のほかは燕市在住。
また、13日は午前10時からと午後1時からの2回、アクセサリー製作体験会を開く。会員が講師となり、約6×7センチの銅板で世界にひとつだけのアクセサリーを作る。各回定員10人、2時間がかりの本格的な制作で、費用は入館料別で3,000円。10日までに各回2人ずつ余裕があるので、参加したい人は早めに同史料館(電話:0256-63-7666)へ申し込む。
月曜は休館、開館時間は午前9時から午後4時半まで、入館料はおとな300円、子ども100円、日曜と祝日は燕市内の小中学生と付き添いの保護者1人が無料。