燕三条地場産業振興センターは12、13、14日の3日間、同センターで「年末刃物フェア2014」を開いており、包丁や鍋などの下取り買い換えセール、フェア特価の燕三条金物市、県内外の味が楽しめる「北海道&うまいもの市」など盛りだくさんのイベントを行っている。
年末に向けての恒例イベント。会場の半分で燕三条金物市、和釘づくりや包丁研ぎの実演と体験、五十嵐川で採れた砂鉄で作った玉鋼と日本刀の展示など地場産品のコーナー。もう半分を北海道味覚市をはじめ、十日町、青森県八戸、山梨県甲府などの特産品販売、県内の人気の味、博多めんたい、海産物、富士宮やきそば、イカめしなど県外など、北海道から沖縄まで約40の出店者が自慢の味を並べている。
年越しや新年は新しい調理道具でと利用する人も多い「包丁・鍋・園芸はさみの下取り買い換えセール」は、使わなくなった包丁、鍋、園芸はさみを下取りし、1点につき1枚、同フェア開催中に使える10%の割引券と引き換える。地場製品をさらに安く買うことができることから、1,000点以上が持ち込まれる年もある人気企画だ。
燕三条金物市では、燕三条産の包丁や鍋、ケトルやザルなど同センターで通常販売している値段をさらに割りいての金物市価格で販売。このほかにも包丁、鉈、キッチンツールなどの地元メーカー7社も出店して直売を行っており、一般からプロまで、アドバイスを受けながらの買物ができる。
ほかにも包丁とぎ、まな板削り、ラシャ切鋏研ぎ、和釘づくりの実演、鉋(かんな)削りと丸太切りのコンテスト、1日先着100人に地元燕市・きむら食品の「焼いて食べるあんこ餅」のプレゼントも行っており、お得感満点だ。
和釘づくりの実演と体験は今回初めて行っている。和釘職人の3代目内山立哉さん(57)=三条市柳川新田=が電気炉を初公開して行っている。
消防法で室内での火の使用は禁じられているため、鉄を赤く熱してたたく“火造り”の工程の実演はこれまで不可能だった。そのことを幼なじみに話したところ、その後輩が経営する電気炉も手掛けるメーカー株式会社いすゞ製作所=三条市荻堀=が、特別に火造り用のオリジナル電気炉を製造してくれることに。社長の奥さんが内山さんが手掛ける和釘を使った風鈴を気に入ってくれていたという縁もあった。
ふだんの作業は石炭から作る“コークス”と呼ばれる燃料を燃やした炉を使っている。それと比べるとやや温度が低いが、1000度くらいまで上がり、100ボルトの電源さえあれば和釘ていどの材料ならなんとか作ることができる。全国的にも鍛冶仕事の電気炉は極めて珍しい。
内山さんは年に数回、実演する機会があるが、「この電気炉なら簡単に運搬できるので、どんどん活用したい」と話している。フェアは午前9時半から午後5時まで、最終日14日は午後4時まで。入場無料。