来春、三条市・大崎山をフィールドに「Sanjo 森のようちえん」を開園するNPO法人アキハロハスアクション(原淳一理事長)は13日、三条市・シェアスペース&ライブライリー「燕三条トライク」でイベントを行い、森のようちえんをPRした。
森のようちえんは、デンマーク発祥で自然の中で行う幼児教育を行う。とくにドイツで広がりを見せ、10年ほど前から日本でも数を増やしている。フィールドや園舎の有無、活動の頻度や主体などはさまざまな経営で運営されている。
アキハロハスアクションは、2011年4月に新潟市秋葉区・秋は山を舞台にした「Akiha 森の幼稚園」を開園。初年度11人でスタートし、今年度は35人の園児が市内や近隣市町村から通っている。ほかに「Akiha 里山子育て支援センター」や「Akiha 森のしょうがっこう」も運営している。
「Sanjo 森のようちえん」も同じような形で開園する。大崎山には小屋やビニールハウスを設置。3歳から5歳を対象に月曜から金曜の週5日、午前9時から午後2時まで保育し、午後4時までの延長保育もある。保育料は月額3万2,400円。
13日にイベントでは、クラフトなどのワークショップや「Akiha 森のようちえん」のようすを撮影した写真の展示を行う一方、午前と午後に1回ずつ、園長でもある原理事長が森のようちえんについて話した。
午後からの回は10人余りが参加。原理事長は、森のようちえんの歴史から、なぜ森のようちえんなのか、なぜ自然の中で過ごす必要があるのかなどを、五感を研ぎ澄まして完成を養う、遊ぶことの教育学的意義、さらには大脳の働きなどを通じて話した。そのうえで原理事長は「私の想い」として「大切なのは想い、理屈じゃなくて感情」、「根拠のない自信を持たせられる環境を」、「表現活動と表出活動、相対愛と絶対愛」と話した。
出席者には、自身の子どもを森のようちえんに入園させようと考えている人ばかりではなく、「自然が好きなので興味があって」と出席した市内の保育園で働く保育士は「子どもが自由なところが楽しそうと思った」と新しい保育の形として肯定的に受け止めていた。
原理事長は「保育料が高く、弁当持参なのでハードルは高いが、保護者からはすごく共感をいただいている」とし、「地域の現状を把握して保育に生かしたい」、「公の事業としても支援いただけるよう信頼されるようになりたい」、「ふつうの幼稚園や保育と同じように子どもを通わせるもののひとつとして選択肢になれば」と話していた。
「Sanjo 森のようちえん」の開園に向けてクラウドファンディング「FAAVO」で来年1月中旬までに125万円を目標に支援を求めており、16日までに支援額は目標にあと少しの118万円に達している。
また、18日午後7時から9時まで三条市体育文化センターで、Sanjo /Akiha 森のようちえんの原理事長による講演会、「自然と共に未来を育む〜持続可能な社会に向けた森のようちえんの実践から〜」を行うので、興味のある人に参加を呼びかけている。当日参加も可能。問い合わせはアキハロハスアクション(電話:0250-47-4331)へ。