19日夜、県下一斉歳末特別警戒が行われ、三条署(安達豊署長)と燕署(石口英治署長)でもそれぞれ管内3カ所での交通検問などを行った。
三条署は午後7時から同署で出発式を行い、警察官55人と来賓の吉田実三条市副市長、斉藤弘文三条商工会議所会頭、加藤紋次郎三条市交通安全協会会長、久保冨彦三条市自治会長協議会会長、大野新吉警察友の会三条地区監事の5人の計60人が出席した。
安達署長は訓示で、管内の治安情勢について、刑法犯の認知件数は11月末現在で620件と前年に比べ96件の減少。強盗致傷、放火容疑、強制わいせつなど3件発生した重要犯罪もいずれも検挙するという一定の成果を見たとした。交通事故の発生件数、負傷者数はいずれも23%前後減少し、死者数は半減しており、「関係者の熱意ある取り組みが反映された結果」と感謝した。
さらに、例年、年末になると犯罪や交通事故などが多発傾向のため、12月当初から諸活動を行ってきているが、年末まで残りわずかで、三条市民の安全と安心を守るため、さらに犯罪や交通事故の抑止につとめていかなければならないと引き締めた。
「本日の特別警戒では、年末に入り警察が取り締まりを強化しているという姿を見せるとともに、違法行為の予防、検挙を行い、市民の安全、安心を確保しようとするもの」、「寒いなか夜間の勤務になるが、緊張感をもった厳正な勤務により所期の目的が達成されるよう期待している」と話した。
閉式後、警察官は、駆け足でパトカーに乗り込み、それぞれの活動場所に向かった。交通検問は、三条、栄、下田地区の3カ所に設置し、本寺小路周辺の繁華街パトロールも行った。三条地区は三条市役所前で、本寺小路方向から国道289号方向に向かう車両を止め、1時間半ほど検問。午後8時で1.4度の気温のなか、免許証の提示を求めるとともに「お気をつけて」と安全運転も呼びかけていた。
燕署でも出発式を行ってから管内の燕、吉田、分水の各地区に1カ所、計3カ所で交通検問所を設置して特別警戒を行った。出発式には署員30人余りと関係団体の代表を来賓に同署で行った。石口署長は最近、管内で発生した事故や事件の状況をデータで示し、安全、安心活動を強化し、検問は「効果があがるような活動を実施してほしい」と署員に求めた。
来賓の鈴木力燕市長は、燕市内では不審火が続いていることを心配し、「皆さまの活動を心強く思っている」と署員の活躍に期待。犯罪が巧妙化し、ストーカー被害も増えている面もあるが、寒風のなか検問に向かう職員をねぎらったほか、山崎悦次燕地区職場警察連絡協議会会長、渡辺裕子燕警察署協議会会長が署員を激励した。
続く検問で燕地区では、コメリホームセンター三条生活館わきのアンダーパスから佐渡橋へ進行する車を旧マルハン燕三条店付近で止めて行い、鈴木市長をはじめ来賓7人がそのようすを視察した。大勢の署員が赤い誘導灯を振っているようすに事故や事件でもあったのかと険しい表情のドライバーが多かったが、「交通事故に気をつけて安全運転お願いします」などと声をかけられるとにっこり。代行を頼んで「お疲れさまです!」と大きな声で話す上機嫌な人もいた。
また出発式では、交通安全を訴える同署のオリジナルキャラクター「酒呑童子(しゅてんどうじ)くん」の新しい冬バージョンを紹介した。イラストが得意な吉田交番の羽田忠巡査部長は、やはりイラストが得意な高校3年生の長女と2人でこの秋、「酒呑童子くん」を制作した。
今回は冬に合った酒呑童子くんを再び父娘の共作で第2弾の冬バージョンを完成させた。酒呑童子くんは萌え系のキャラで、編みがさにマント、わらぐつをはき、前作と同様に酒の入ったヒョウタンを持つ。方言で「ダメらて、飲酒運転!」と書き、飲酒運転しないよう呼びかけるもの。検問では小さなカードにプリントして限定50枚をドライバーにプレゼントし、喜ばれていた。