年の瀬も押し詰まった27日深夜、三条市・パルムマンションで遺体が見つかるという痛ましい火災が発生した。マンションは14階段建てで、国中がバブル景気に浮かれる昭和63年(1988)に完成してから26年。今回が初めての火災だった。
マンション完成直後、燻蒸、燻煙式の殺虫剤を火事と間違える騒ぎがあったが、それ以来、火災とは無縁だった。
三条市内で最も高い建物だったこともあり、高層建物火災に対応しようと三条市消防本部はパルムマンション完成の翌年、35メートル級はしご車を導入した。以来、幸いというべきか、はしご車が出動しても道路が狭くて侵入できなかったり、はしごを伸ばそうにも電線がじゃましたりで、役に立ったことは皆無に等しい。それが今回初めて消火活動で明らかに貢献した。
はしご車を導入して良かったということになるだろうが、避難したマンション住民からは逆に不安な声が聞かれた。今回は4階だから良かったものの、10階を超すような高層階なら、はしごを伸ばしても届かない。マンション住民は、はしご車の活躍を喜ぶよりも高層階での火災をイメージして不安が増していた。
燕・弥彦消防のはしご車も出場して、すぐに放水などが行えるよう待機。放水できるポイントが限られていたこともあり、出番はなかったようだ。