三条市・法華宗総本山本成寺では28日、年末恒例のすす払いを行い、1年間のほこりを払って新年を迎える準備を行った。
山内住職と門前信徒、合わせて35人ほどで行った。節分の鬼踊りなども行われる300畳余りの本堂から取り掛かり、寂光殿、客殿、奥書院とすす払いを進めていった。
雲ひとつない青空が広がり、放射冷却現象もあってすす払いを始めた午前9時の気温は−0.8度と氷点下の厳しい冷え込みだった。
門前信徒は「総本山本成寺」の藍色の半てんなどを着て、帽子にマスクに軍手をつけた寒さとほこり対策仕様。扉や窓を開け放った本堂や客殿などの畳の上を長さ1メートルほどのタケの棒を両手に持った4、5人が横一列に並び、中腰になって畳を叩きながら「ぱんぱんぱんぱん」と音を立てて前に進み、ほこりをたたき出した。
欄間などの高い場所は、長さ2メートル近いシュロのほうきでほこりを払った。
内陣は、作務衣を着て頭に白いタオルを巻いた山内住職が、化学雑巾や柄の長いはたきなどで中央の須弥壇(しゅみだん)からていねいにふいた。
「ふだんはさわりませんが、この日は、おそばにいってすすを払います」と、須弥壇の中の仏を納めている宮殿など毎日の掃除ではさわらない場所も年に1度、ていねいにすすを払うと、くすみのない金色に輝いていた。