三条市のJR北三条駅付近で“2”か“7”のつく日に開設される二・七の市に、12月からまったく毛色の違う三条市本町2、シネマ・カフェ「キネマ・カンテツ座」が移動販売車で参戦、露天商のひとつとして出店している。
毎回、出店しているわけではなく、土、日曜か祝日に当たった二・七の市に出店。青空が広がった27日は、7日に続いて2回目の出店だ。晴れても明け方は氷点下の冷え込み。弥彦線高架横で移動販売車のワゴン車のリアゲートを跳ね上げて三角旗で飾った。
「映画館のコロッケがなぜうまい?」とあるのぼり旗を立てたら店開き。熱々のカンテツコロッケと甘辛タレの手羽から揚げを販売した。
メーンは人気のカンテツコロッケ。“クリームリゾット入り”とうたうように、中身はホワイトソースのご飯のオリジナルコロッケだ。時期にあわせたもう1品と一緒に販売する。前回はモツ煮を販売した。
出店を始めたばかりなので、キネマ・カンテツ座を目当てに訪れる買い物客はないが、手で持って食べやすいこともあって帰りに立ち寄って歩いて食べながら帰る人も。出店している露天商の購入も多く、正午前には完売した。
二・七の市は歴史ある朝市だが、利用者は年配の人に偏っている。若い人たちからも足を運んでもらえればと、三条市は市の活性化に取り組んでおり、そのひとつに「二・七の市×三条マルシェ」がある。
三条市は2011年から中心市街地を通行止めにして青空市「三条マルシェ」を開き、全国からも注目を集めるイベントに成長した。三条マルシェの出店者から二・七の市にまとまって出店し、コラボレーションしてもらおうと昨年から月1、2回、「二・七の市×三条マルシェ」を開いている。
キネマ・カンテツ座は三条マルシェに出店している。二・七の市の出店者とはまったく毛色が違うので「二・七の市×三条マルシェ」に“三条マルシェ枠”で出店するのが順当だが、長年、市で商売を続けている人たちと肩を並べて学ばせてもらおうと、あえて市の露天商のひとつとして出店している。
店主の関本秀次郎さん=三条市西四日町=は、ずっと出店している露天商について「まず歴史が違う。お客さんがついている」と言う。それぞれの露天商が固定客をもっているし、客も漠然と市へ足を運んでいるのではなく、どの露天商で何を買うかはっきり決めて訪れていることがわかった。
「魚屋さんとか見てると、売り方が“ほら、入れたよ”的なものがあったり。どういう仕組みかわらからないけど、無理に声をかけない。声をかける人のかけない人の見分け方がきっとある」、「だれも呼び込みはしない。何か術(すべ)があるんだろう」と、プロの商売のやり方には勉強させられることばかりだ。
店の営業にも効果がありそうした。「ここならちょっと寄ってコロッケくださいと言われるけど、店に来てくださいと言うと、入りづらくてさと言われる。そうすると、ひとりでカウンターに座ってくださいよ、と言える」と店に足を運んでくれることにも期待している。1月は12日と17日の二・七の市に出店する。