三条市は11日、平成27年三条市消防出初式を行い、消防車両の市中パレード、初めての五十嵐川河川敷での一斉放水などを行って無災害を願った。
小雪のちらつくなか、午前9時半からパレードでスタート。職団員89人が消防車や救急車、消防団の車両など計36台に分乗して市街地を進んだ。出発地点の厚生福祉会館前では、ラッパ隊の演奏と市民30人ほどが見守るなか、統監の国定勇人市長らの観閲を受けた。
ことしは同本部の訓練場が訓練棟建築中で使えないため、例年の高層建物総合訓練に変えて、9時45分から五十嵐川河川敷の昭栄大橋上流河川敷で出初式では初めて消防団による一斉放水を行った。
消防団22部95人が参加。対岸の堤防から統監らが見守り、昭栄大橋などから市民が見学するなかで、一ノ木戸商店街側の右岸から対岸に向け、それぞれ2口のホースから計44本の水柱を吹きあげた。
団員はヘルメットに活動服など装備はしているものの、午前10時の三条の気温は1.3度の厳しい寒さのなか、霧となって降ってくる水でびしょぬれになりながら、しっかりとホースを握り、それぞれが正面にアーチを描いた。途中から、両端の2口で赤と緑の食紅を使ったカラー放水も行い、ギャラリーの市民は大きなアーチにスマートフォンのカメラを向け「見事らね〜」と話していた。
続いて10時20分から消防本部で式典を行った。国定市長が訓示し、「日ごろの訓練の成果がでる毅然としたなかにもしっかりとした規律が漂う素晴らしい出初式であった。この勢いと姿勢で一年間、望んでいただきたい」。
さらに「大規模な火事に見舞われた一年であった。最後の年末に至るまで火事の絶えない状況であった」と昨年を振り返った。ここまで火事が多いと人力だけでは到底及ぶべきもなく、初もうでではいちばんに無火災を願ったと言い、「神様にはお願いしたが、実際に平穏無事に1年間、終えるかどうかは、市民の皆さまに対する日ごろからの啓発活動が大切にもなる。昨年同様、気を引き締めていただいて、万が一の事態に備えていただきたい」と求めた。
最後に、「くれぐれも体を大切にされながら、私たち市民のために、ことしも貢献していただきたい」と願った。
職団員を代表して長谷川消防団長が決意表明を行い、「過去の忌まわしい災害から得た教訓を生かし、人々の命を救う、守るこの仕事に誇りをもち、防災、減災に有効かつ意義のある活動をすることの原点に立ち返り、再認識し、今後も消防職団員は互いに心と力をあわせて、愛する郷土三条を守り、市民の安心安全を最重要課題として、消防の使命達成にまい進する」と誓った。