三条の小正月の風物詩、三条市・八幡宮(藤崎重康宮司)の献灯祭がことしも14日夜から行われ、拝殿の33本の大ろうそくに夜通し火をともし続けた。日中は晴れて三条の最高気温は6.0度と、14日としては過去10年で最高。この時期としては驚くほど暖かく穏やかな陽気に恵まれて大勢の参拝客でにぎわった。
献灯祭は江戸末期の安政年間に始まったといわれ、翌朝まで大ろうそくの火をともし、揺らめく炎に商売繁盛や家内安全を祈願する。昨年と同じ重さ8貫目(30キロ)のろうそく2本を最大に、5貫目30本、3貫目1本の計33本が奉納され、台に載せて拝殿にずらりと並んだ。
午後7時から大ろうそくの献納者が列席して藤崎宮司が神事を行った。藤崎宮司は伝統的な小正月行事が次々と廃れていくことを憂う一方、平成17年に拝殿の大改修が行われてからちょうど10回目となり、その節目にふさわしい穏やかな天気の献灯祭になったことを喜んだ。
国定勇人市長を皮切りにろうそくの献納者は、世話方から火打ち石を打ってもらってからそれぞれの大ろうそくにろうそくから火を移して点火した。献納者の出足も良く、1時間ほどでほぼすべてのろうそくに火がともった。
続いて7時半から境内奥の金山神社でも同様に神事と650匁(約2.4キロ)のろうそく約90本の点火が行われた。
市民にとっては雪のなかの献灯祭のイメージだが、境内にはほとんど雪がなく、国定市長も「献灯祭のときくらいは雪が積もっていても」と余裕を店ながらも、「それだけ多くの皆さんに参拝していただけるということ」と喜んだ。
境内に並んだ露店は例年より多く40店近く。参拝者も多く、近年にないにぎわいだった。点火が始まるころには、拝殿から参拝を待つ人の行列が境内の外にまで伸びた。拝殿に上がると鈴を鳴らし、さい銭を投げ入れると手を合わせて商売繁盛や家内安全を願った。
また、このタイミングで厄よけなどの払いを受ける人も多く、にぎわう拝殿で神前に頭を下げていた。