18日の臨時党大会で投開票が行われる民主党代表選挙の北信越ブロック候補者集会が15日、新潟市・新潟東映ホテルで開かれた。党所属の国会議員や地方議員、党員、サポーターら約200人が参加し、長妻昭元厚労相、細野豪志元幹事長、岡田克也代表代行の3氏が政見と決意を表明した。
長妻氏は、民主党を人に勧めたことを責められただろうと誤り、「もうそういう民主党にはさせない。そういう批判は受けないように頑張る。その先頭に立つために立候補した」。「民主党を変えなければならない最後のチャンス」と危機感を示し、「民主党は元祖改革政党。政官業の癒着に切り込み、消えた年金問題、原発の安全神話、これを生み出した古い役所の体質を徹底的に変える」、「政治の体質を徹底的に変えるのが民主党。そののろしをもう一度、明確に掲げる。それによって民主党を再生できる」と訴えた。
細野氏は「このままの民主党で政権復帰は厳しい。過去を否定するのはつらいが、変わらなければ政権がとれないなら、勇気をもって一歩を踏み出すべき」とし、代表選で岡田氏と長妻氏と一緒に議論することで、「方向が同じと確認できた。もうばらばらの民主党とは言わせない。代表選が終わったら、民主党は一枚岩になって民主党は変わったという姿を見せる」とアピールした。
岡田氏は「民主党をなんとか政権できる党にしようとやってきたが、残念ながら国民から信頼されていない。政権交替可能な政党に脱皮するラストチャンスかもしれない」。そのうえで「堂々と民主党の旗を掲げて堂々と国会で安倍首相と戦っていく。それができるのはわたし」、「今度の代表は政権交替までいかないかもしれない。だけど政権交代までもっていく責任がある。それができるのはわたくしという気概をもって民主党を引っ張っていきたい」と決意を示した。
各ブロックの候補者集会でテーマを変えて討論しており、今回は「女性政策」がテーマ。細野氏は、安倍首相の女性のイメージは東京でばりばり働いているOLだが、われわれがしっかり応援していかなければならないのは、農村で頑張って地域を支えている女性や母子家庭の女性で、配偶者控除はそれぞれの女性の生き方に中立的な制度をつくるという意味で廃止させてほしいが、それによる6300億円の増税分は子育ての社会奉仕を充実させ、社会全体で子どもを育てる環境つくることなどに充てるとした。
岡田氏は、政調会長だった2002年に女性の政策をつくろうと議論を重ね、外務相時代に全省庁で出勤時間を弾力的な運用を実現し、副総理時代は7000億円を子育てに充てた実績を話し、今の民主党の立て直しのかぎは女性と地方だと思っており、このふたつに真剣に取り組み、なんとか民主党を立て直したいとした。
長妻氏は、代表選立候補時の基本政策に書いたように、男女共同参画社会の実現、男女間の待遇格差の是正、女性への暴力、ハラスメントの根絶、女性管理職比率の目標設定、公表の義務づけ、党内では男女共同参画政党となるために党役員や候補者のクオータ制の導入に取り組む。自民党のように経済成長にプラスになるために女性を活用しようではなく、女性の人権の発想が必要で、女性のためだけでなく、社会全体がプラスに、適性になる女性政策を全面的に進める考えを示した。
会場からの質問を受け付け、最初に質問を指名されたのは新潟二区選出の鷲尾鷲尾英一郎衆院議員の後援会、イーグル会政治経済研究会燕支部の支部長、会社社長青柳修次さん(53)=燕市=。青柳さんは今回の代表戦で細野氏と岡田氏が維新の党との合併など野党再編をめぐってさや当てを演じたことを問いただした。
「2年前の(大敗した衆院選)の反省がどこあるのか。内輪もめ的な討論会が繰り返された」、「昨年の衆院選で候補者を勝たせるために仕事を追いやって二の次にして徹底的に戦った」、「小選挙区で勝たせなければと強い思いでやってきた。皆さんの状態、発言を見てると、そういうことが感じられない。足元をすくわれるような状態が残念。それをどう考えてるのか。民主党を一度壊して、新たな民主党の代表としてやっていただきたい」とかみついた。
これに対して岡田氏は、「私の発言も今のご指摘のなかに入っているかと思う」とし、「けんかではなく議論をしていくは大事なことでと申し上げた。われわれは民主党という土俵のなかで大きな方向性は一致しながら議論しているということもぜひ感じてほしい」と理解を求めた。
長妻氏は、「民主党に集う方々、応援する方が、人生をかけてやってる。じゃあ、日本の国を良くするために集まってる集団。この政党は。別に選挙に勝つために集まってるんじゃない。そこの目標、目指す社会を腹に落としたうえで、何をすべきかを考えていくことに尽きる」。
細野氏は「日曜討論という番組で岡田さんに呼びかけた。言った言わないは前向きな議論にならないので、わたしの方からこれはもうやめようと言った。岡田さんにも納得してもらった。それから前向きな議論になった」と強調した。
集会後、青柳さんは「どうしても一言、言っておきたかった」と言い、「自民党と同等以上に信頼される党として再出発してほしい」と民主党支持の思いに変わりはなかった。このあと記者会見も行われた。