絵本やイラストで今、最も注目を集めるユニット「tupera tupera(ツペラ ツペラ)」の新潟県内では初めとなるワークショップが18日、燕市児童研修館「こどもの森」で開かれ、50人近くが参加して段ボールと廃材を使ってさまざまな顔の制作に熱中した。
「tupera tupera」は亀山達也さんと中川敦子さんによる夫婦ユニット。絵本やイラストレーションにとどまらず工作、ワークショップ、舞台装置、アニメーション、雑貨など幅広い分野で活動している。
NHK Eテレの工作番組「ノージーのひらめき工房」のアートディレクションも担当。近年は絵本のコンテストで次々と賞を射止めている。ワークショップにも引っ張りだこで、本県でのワークショップはこれが初めて。
燕市のグループ「みんなともだち」(関崎智弥会長)が主催し、これに先だって燕市立図書館は昨年10月、「tupera tupera 絵本原画展」を開き、これも「tupera tupera」の初めての県内での原画展で、市外からも多くのファンを集めた。
ワークショップは定員50人のところ、その2倍もの申し込みがあった。参加者は抽選で決めたが、大勢の人がはずれたため、急きょ、前日17日にはずれた人を対象にした読み聞かせを行った。
ワークショップに訪れたのは「tupera tupera」の亀山さん。この日もまずは絵本の読み聞かせから。人気作『パンダ銭湯』や『うんこしりとり』などを披露し、子どもたちのハートをつかんだ。
そしてワークショップ。あらかじめハート形や丸、四角とさまざまな形に切り抜いた段ボールを用意。それに梱包材、牛乳パック、トイレットペーパーの芯、プリンの容器、紙コップ、リボンなどどこにでもあるものを組み合わせて顔を作った。
ただ、最初に亀山さんが用意したキーワードの紙を3枚引き、キーワードから膨らませたイメージを形にした。亀山さんも一緒に制作したが、亀山さんは聞かれれば質問に応えたが、あとは自由に作ってもらった。
おとなにも予想以上におもしろく、子どもより熱中する親もいれば、親子で意見が対立してちょっとしたバトルになることも。あっと言う間に時間が過ぎていた。完成したら順番に前に出て自分の作品を発表。キーワードにマッチしていてなるほどと思わせる作品が多く、キーワードとは全然、違っていても作品に込めた思いや豊かな発想力が楽しかった。
保育園の年中児の二男と参加した燕市のお母さんは、二男が「ノージーのひらめき工房」が大好きだからと参加した。二男は「ノージーは来ないの?」と残念がっていたが、「うんちの絵本がおもしろかった」とご機嫌。ただ、最初から作りたい顔が決まっていて、ほくろがあるという以外はキーワードと関係のない顔ができあがった。お母さんも「ワークショップに当たって良かった。工作物では子どもの意外な一面が見えるかもと期待したが、独自性が発揮されたと思う」と喜んでいた。