燕署と捜査第二課は20日午前10時37分、背任の疑いで神奈川県川崎市多摩区登戸新町、自称派遣社員堀清隆容疑者(59)を逮捕した。
堀容疑者は、ステンレス製魔法瓶などを製造するサーモス株式会社(本社東京都港区芝)の経理責任者だった2010年3月、自己の利益を得る目的で会社の適正な支払い決済をする任務に背き、社屋の修繕などに関する工事請負業者からの請求金額を水増しした偽造請求書を2回に渡って作成した。
部下に工事請負業者名義の銀行口座に水増しした金額を振り込み入金させ、そのつど工事請負業者に対し、過払いがあったとして工事などの代金差額合計420万円を受領して着服し、会社に財産上の損害を与えた。
当時、堀容疑者は三条市内に住み、同社新潟事業所(燕市吉田下中野)などで勤務した。内部監査で犯行が明らかになって退職。同社は不正行為が悪質なことから刑事告訴していたが、堀容疑者が所在不明になっていた。燕署などは余罪があるとみてさらに追及する。
同社ではホームページにお詫びとお知らせを掲載し、逮捕前に発表すると警察の捜査に支障を来たす可能性があったために発表を控えていたことに理解を求めるとともに、捜査に全面的に協力し、不正行為の発生を厳粛に受け止め、再発防止に向けて取り組むとしている。