20日告示された弥彦村長選に立候補した新人の小林豊彦氏(69)は、午前8時過ぎから弥彦神社で必勝祈願祭のあと、一の鳥居前で第一声。10時から選対本部で出陣式を行い、にこやかな笑顔で選挙戦をスタートした。
第一声には、支持者ら150人余りが集まった。小林氏は支持者らの大きな拍手に迎えられると、たすきをかけ、“必勝”とある鉢巻きを着けて街宣車の前に立った。
小林氏は「こんな派手になると思いませんで、晴れがましすぎて気恥ずかしい」と表情を緩ませた。弥彦神社の祈願祭では村長選の必勝とあわせて「弥彦の村の私たちの子どもたち、孫、ひ孫、やしゃごと、代々、子々孫々までこの村を守っていけるような立派な村をつくらせていただきたい。そのための力をぜひお貸しくださいとお祈りしてきた」と報告した。
弥彦村を誇れる村にするためには、おもてなしの弥彦村として「たくさんの参拝客の皆さんを観光客に変わっていただき、弥彦にもう少しお金を落としていただけるような村にぜひしたい」。さらに「ガラス張りの村政を実現して村民主役の村政をぜひとも取り戻したい」と訴えた。
弥彦山にある木々を使って木質バイオマス発電を行うことで「財政に大きく寄与」するとし、「あわせて観光地と一体化した農業を実現させたい」。さらに「子育て応援基金1千万円を設立して若い子どもたちの支援をさせていただきたい」、「高齢者福祉の新しい施策を打ち立てたい」とこれまでと変わらない考えを示し、最後に「ここまで来れたのは志しをひとつにした皆さま方のおかげ」と感謝した。
続く出陣式には選対本部がいっぱいになる100人近くが集まった。小林氏とは同級生だった武田芳久総括責任者がこれまでの活動を振り返り、「村民のための村政、隠された村政ではなく、見えない力で抑えつけた村政でなく、明るく開かれた村政でなければならない」とし、「弥彦山で言えば634メートルのところ600メートルまで来たところ。あと34メートル。この5日間であと34メートルをなんとかクリアして万歳できるように、小林村長実現できるように、最後の力をふりしぼって頑張ってもらい」と願った。
長野県青木村の北村政夫村長は、埼玉県庁時代に日本経済新聞社の支局長だった小林氏と友人になった。自身も農家の長男で、70歳7カ月で村長に就任し、まだ2年足らず。青木村に戻って6年ちょっと、公約など似ているところが多いとした。青木村の村長は北村村長で戦後3人目で、前の村長は20年、その前の48年務めた。
自身が村長になって「暗かった役場が明るくなったと言われる」とし、地方創生という言葉が新聞に踊っているが、「弥彦村も新しい創生をする、新しい時代になった。ぜひ新しい小林豊彦に弥彦の創生を任せてくれませんか」と支援を求めた。
関根洋祐元新潟県副知事は、55年来に友人。小林氏の人脈や世界をまたにかけてた活躍にふれ、「これだけ素晴らしい人材を皆さんが使える、盛り立てていけるのは素晴らしいタイミング」であり、地方創生のためには観光、インバウンドが重要になるとした。
元埼玉県の部長でるNPO法人地域活性化プラザの石黒猛男理事長は、36年ぶりの弥彦村長選は「日本の民主主義の発展のためにも非常に意義がある」とし、「25日には新しい村長となって勝利の美酒を」と願った。
最後に小林氏もあらためて短くあいさつ。大谷氏は公務員経験もあるので「手堅い」が、自身は新聞記者だったので、誰も考えつかないような木質バイオマス発電を言い出し、「行政経験はないが、わたしの後援会、支持者の中にはたくさんの役場のOBの方がおいでになる」と経験がないことはマイナスにならないとし、「とにかく弥彦村をなんとかしたい。あと5日間、ぜひお力をお貸しください」と締めくくった。