新潟市新津美術館で企画展「メタルズ!」、古代の出土品から近現代の金属工芸、燕三条の金属加工や洋食器も (2015.1.25)

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新潟市新津美術館(横山秀樹館長)で24日から3月8日まで企画展「メタルズ!-変容する金属の美‐」が開かれており、古代や中世の出土品から近現代の金属工芸まで、さらに燕三条の金属産業・工業デザインの優品もあわせて展示されており、考古学、美術、産業とさまざま側面から日本の金属の美しさをや金属を加工する技術を紹介している。

新潟市新津美術館で開かれている企画展「メタルズ!」
新潟市新津美術館で開かれている企画展「メタルズ!」

富山県の高岡市立美術館による企画展。昨年から同美術館で始まり、福岡県、愛知県へ巡回し、新津美術館が最後の4館目。本展出品作110点に加え、新潟展特別展示29点が展示されている。

制作年代順に展示され、弥生時代の銅剣や銅矛(ほこ)から古墳時代の耳環(じかん)や金具、平安、鎌倉、江戸時代、そして明治、大正、昭和の近現代の名工へと連なる。注目のひとつが高岡市出身の美術商・林忠正(1853-1906)か?考案し、のちに帝室技芸員となった金工家・鈴木長吉(1848-1919)が制作監督し、1893年(明治26)に米国で開かれたシカゴ万博に出品された「十二の鷹」で、12体のうち3体を展示している。

愛知県犬山市の東之宮古墳から出土した三角縁二神二獣鏡の金属3Dプリンターによる復元模造の展示は回転して表も裏も見えるように展示
愛知県犬山市の東之宮古墳から出土した三角縁二神二獣鏡の金属3Dプリンターによる復元模造の展示は回転して表も裏も見えるように展示

新潟展の特別展示作品は、燕市産業史料館が用意したものが多い。2010年に人間国宝となった燕市の金工家・玉川宣夫さん(71)が制作した木目金花瓶や燕市内のメーカーの洋食器、三条市のSUWADA爪切りや和釘などを展示。また、玉川宣夫さんと燕市の彫金家・市川正美さんが復元模造した宮内庁正倉院事務所蔵の銀薫炉もあり、見どころは幅広い。

関連行事として初日24日は、高岡市美術館館長でもある京都美術工芸大学も村上隆教授よる記念講演会「変容する金属の美」が開かれ、約40人が来場した。村上さんはミクロン単位で加工された古墳時代の金糸、村上教授が“誘色”と名付ける化学変化を利用した金属に色を着ける技術を駆使した作品などについて、出土品や作品の画像を示して話した。

魔鏡現象のデモンストレーション
魔鏡現象のデモンストレーション

ハイライトは魔鏡現象のデモンストレーション。神獣鏡を教科書などで見て覚えている人は多いが、意外と表を見る機会はない。神獣鏡で平行な光線を反射させると、反射光の中に模様が浮かび上がる。鏡を研磨すると、肉眼ではわからないほどの変化だが、裏の細工によって厚い部分は凹面になって集光して明るくなり、薄い部分は凸面になって散光して暗くなることにより、裏の細工が反射光に反映されて模様をつくる。それが魔鏡現象と呼ばれる。

村上教授は、愛知県犬山市の東之宮古墳から出土した三角縁二神二獣鏡の金属3Dプリンターによる復元模造したものを使い、平行光線を照射すると壁に見事に模様が浮かび上がり、会場からは驚きの声が上がった。幸運にも天気が良かったので、外に出て太陽光線も使って魔鏡現象を披露した。

記念講演会の講師を務めた京都美術工芸大学の村上教授
記念講演会の講師を務めた京都美術工芸大学の村上教授

このあと関連行事として2月8日午後1時半から玉川宣夫さん出演で講演会「木目金の魅力」が開かれ、新津美術館の横山館長と燕市産業史料館の斉藤優介主任学芸員が聞き手を務める。

さらにワークショップとして月曜と休館日を除いて午前10時から午後3時半まで銅鏡、銅鐸、銅銭づくり体験。参加費は銅鏡400円、銅鐸900円、銅銭200円。

2月15日は県央マイスターの手彫り彫金、彫刻の燕市・大岩信夫さんを講師に、午前10時半から正午まで箸置き制作、午後1時半から3時までブックマーク制作の体験も行われる。参加費はいずれも500円。

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