36年ぶりの弥彦村長選で現職を破って初当選を果たした元日本経済新聞社記者の新人・小林豊彦氏(69)は、責任の重さに終始、厳し表情で気を引き締めた。
当選の決定を受けた小林氏は、集まった支援者らを前に「村長を務められた大谷さんと勝負して勝たせていただいた。本当にありがとうございました」と頭を下げた。
「また、12年続いた大谷村政から、新しい流れ、新しい村づくりをそろそろ始めようと思っておられた弥彦村民の皆さまのおかげ」と多くの支援に感謝するとともに、「選挙は終わりました」、「ラグビーの試合でいうノーサイド。もう敵、味方はありません」と最初に述べた。
選挙中の訴えや公約はたくさんあるが、今すぐにやれるのは「役場の雰囲気を変えて、ガラス張りの村政を実現すること」、次にすぐにやらなければならないのは「高齢者福祉の充実、子育て支援の強化」とした。
しっかりと基礎を固めて議論をして進めていかなければならないのは「木質バイオマス発電所を核とした弥彦村の新しい財政強化策」。そして「おもてなしの村弥彦づくり」とし、「簡単にできるものと思っていないが、早くから手掛け、一歩一歩、着実に進めたい」と穏やかに淡々と話した。
うれしい気持ちでいっぱいだが、「顔を見ていただいてわかるとおり、喜べない。責任の重さが両肩にずしーっときて、そう簡単に喜べない」と心境を話し、「今、申し上げた新しい弥彦村をつくること。目安がついたとき、できあがったなと思った時が、ほんとにわたしが喜べるときだと思っております」と決意を示した。
小林氏は、「それまではにこにこぐらいで我慢して、新しい村づくりに邁進していきたい」と目を細めた。「どうかみなさんよろしくお力を貸して、一緒にやって頂きたいと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました」と引き続きの支援と協力をと深く頭を下げた。
100人以上が集まった事務所は、当選の連絡を受けた瞬間に悲鳴のような歓声と拍手でわいた。涙を流す人もおり、拍手は万歳に変わり喜びであふれた。小林氏は君子夫人とともにだるまの目入れなどを行った。