三条市役所下田庁舎の敷地内で育つサクラ「ソメイヨシノ」の折れた枝を室内に置いていたところ開花し、ひと足もふた足も早い春の訪れが来庁者を楽しませている。
花を咲かせたのは、昨年12月に雪の重みで折れてしまった同庁舎駐車場にあるサクラの枝。高さ5メートルほどある古木で、折れた枝は約3メートルの長さの大きな枝だった。
このまま処分するのも忍びないと、同庁舎職員が小枝を切り取り、バケツに入れて庁舎と自宅で保管していたところ、自宅に置いていた枝のつぼみが膨らみ、1月23日に開花した。
地元ではソメイヨシノが咲くのは4月半ばころだが、暖かい室内に置いていたので3カ月も開花が早まり、捨てようとした折れた枝が思いがけず早い春の便りを届けてくれた。
この木は、開発センターの建物と駐車場のアスファルトの間にあるわずかなすき間から幹を伸ばす。「環境が悪いなかでも頑張って毎年、花を咲かせてくれている」という。下田村時代からの職員や訪れる人たちにとっては思い出の多い木だ。
下田地域最奥地の遅場では1.7メートルも雪が積もる。まだ冬の真っただなかだが、3カ月近く早く開いたサクラの花が、ほんの少しだけ春を近く感じさせてくれる。