三条市立飯田小学校(大井英夫校長・児童134人)は30日、地元下田地区のスノーピークキャンプフィールドで雪上歩行具のスノーシューを使った体育の授業を行い、2年生児童16人がスノーシューの正しい使い方を学び、長靴ではできない、雪の上で自由になれる楽しさを体感した。
スノーシューは、西洋かんじきともいわれている雪の上を歩くためのかんじきの現代版。同校では、冬期間の授業で雪遊びやスキー授業を行っているが、スノーシューの授業は初めてで、三条市で初の取り組みとなった。
午前10時40分から1時間余りの授業で、講師は三条市が2月14、15日に同所で開く「WINTER TRAIL GAMES〜越後雪獅子祭〜」の総合プロデューサー、トレイルランナーズ=見附市今町3=の松永鉱明代表。スノーシューのはき方、スノーシューの歩き方、上り方、下り方といった技術から、安全に使うためになだれに遭わない遊んでいい場所、昔の冬の山の生活などを学んだ。
スノーシューをはいた児童たちは、松永さんの指導で積雪の急斜面を上り下りしたり、鬼ごっこをしたり。足がもぐって歩けない新雪の上でもスノーシューを装着すれば不思議なくらいふつうに歩くことができ、それだけでもわくわく体験。児童は1メートル以上はある積雪の上を歓声を上げて縦横無尽に走り回った。
松永さんは、授業の最初で、なだれに気を付けること、遊ぶ場所は日ごろから遊んでいる場所で、雪のないときの地形を知っている場所でと話した。森の中の散策では、積雪がなければ手の届かない枝の間を歩き、ウサギの足跡を見つけたりしながら、キノコや山菜など山の恵みや昔の人の暮らしなどを話し、児童たちは真剣に聴いた。
初めてスノーシューをはいた大野かりんちゃん(7つ)は、雪の上を走り回った鬼ごっこが楽しかったと話し、「雪がやわらかかった」と、だれの足跡もついていない新雪の感触を楽しんだ。児童たちは「楽しかった」、「またやりたい」と笑顔だった。
松永さんは、スノーシューの魅力について、自由なところ、長靴ではいけないところをどこまでも行ける。自分の歩いた後に道ができるという自由さ。あわせて、判断するという生きていくうえで大事なことを学べるところと話した。今回の授業では、スノーシューを三条市が貸し出しており、ほかの学校からも希望があれば、今後も実施する可能性もあるとしている。