三条市総合運動公園の指定管理者、株式会社丸富(柴山昌彦社長)は1日、同社の創業80周年記念事業第1弾として三条パール金属スタジアムで「大人の野球教室」を開き、参加した50人は1970年代後半から80年にかけて読売ジャイアンツのレギュラーで活躍した松本匡史、定岡正二、篠塚和典のあこがれの3人を指導者に直接、指導を受けた。
丸富が昨年度から開設している中学生3年生を対象とした「野球アカデミー」で、今年度はアドバイザーに松本さんを迎えたつながりもあって、30年前のジャイアンツのスターティングメンバーに名を連ねた3人による教室が実現した。
松本さんは盗塁王2回の盗塁のスペシャリスト。定岡さんは投手で引退後は芸能界でも活躍する人気。篠塚さんは首位打者2回の名打者。ジャイアンツのユニホームやウエアを着た3人が屋内練習場に姿を見せると、参加者は「おーっ!」とどよめきとともに自然に拍手がわいた。
全員で記念写真を撮ったらさっそく指導を開始。定岡さんと篠塚さんにの2つのグループに分かれて指導を受けた。定岡さんは思っている以上に背が高く、参加者と打ち解けて雑談をすることも。
参加者とキャッチボールを行うと、軽く投げているように見えて意外なほど速いボールに参加者は「見た目以上に速い!」と目を丸くした。参加者の中に投手が少なかったこともあり、ピッチングの細かな技術までは指導できなかったが、投球動作に入ったところでひじが上がっていない人が多く、定岡さんは両方のひじを意識して上げるよう指導すると、その後の動作がスムーズになるとアドバイスした。
篠塚さんは基本的なバッティングフォームをティーバッティングなどを行うなかで、ボールの投げ方から指導し、ただネットにボールを打ち返すだけでなく、ネットのどの位置にボールを打ち返すかをイメージした練習の必要性も説いた。
日ごろからバッティングで疑問に思っていることについて直接、篠塚さんのアドバイスを求める人も多く、篠塚さんはそれぞれの相談に順番に答え、手取り足取りで指導した。練習後は参加者から3人に質問を行い、篠塚さんはティーバッティングの楽しい練習の仕方、定岡さんは速いボールを投げるには余計な力を抜くことの大切さなどについて話した。
参加者の大半は三条野球連盟所属チームの選手。最高齢は80歳で、年配の参加者は往年のジャイアンツの看板選手を前に、目のなかにハートが見えるんじゃないかと思うほど夢を見ているように感激、興奮し、「言うことねーて!」と同じ空気を吸っていることだけでも大満足だった。
三条野球連盟Cクラスに所属するチーム「Sparky」の丸山智行さん(48)は、「守備の基本や投げ方が近くで見られて良かったし、ここでしか得られない価値があった」と喜んでいた。