新潟市新津美術館(横山秀樹館長)では、3月8日まで開いている企画展「メタルズ!-変容する金属の美‐」の関連イベントとして8日午後1時半から燕市の人間国宝で金工家の玉川宣夫さんを迎えてメタルズ記念講演会を開く。
2部構成で第1部は「木目金(もくめがね)の魅力」をテーマに玉川さんが講演。同美術館の横山館長と燕市産業史料館の斉藤優介主任学芸員が聞き手を務める。
第2部は玉川さんと燕市に住む彫金家の市川正美さんが「正倉院宝物銀薫炉 復元を語る」テーマに対談する。メタルズ!新潟会場だけに出品されている「正倉院宝物 銀薫炉」の復元制作は、玉川さんと市川さんのふたりによる貴重な共同制作。その制作にまつわる話を聞く。3時に終わる。
玉川さんは昭和17年に三条市(旧下田村)に生まれ、昭和34年、燕市の鎚起銅器製造「玉川堂」に入社。東京で鍛金で人間国宝の関谷四郎に学んだ。のちに独立し、制作活動に専念。何層もの金属を鍛接し、木目のような模様に仕上げる「木目金」という技法を得意とし、2010年に鍛金で燕市で初めての人間国宝となり、同じ年に燕市の名誉市民にもなった。
市川さんは昭和23年に燕市(旧分水町)生まれの彫金家。洋食器金型彫金で6年間修業後に独立し、昭和56年に彫金家で人間国宝の鹿嶋一谷に師事し、10年間の修行で習得した技法、布目象嵌(ぬのめぞうがん)の第一人者として知られる。
ふたりは「正倉院宝物 銀薫炉」の復元を依頼され、完成させて平成14年に納めた。記念講演会は参加無料で申し込みも必要ないが、メタルズ!展覧会観覧券が必要。