「建国記念の日」の11日、各地で奉祝する式典が行われ、皇紀2675年となる紀元節をしのび祝った。
三条市では午後1時から三条市中央公民館で平成27年三条市「建国記念の日を奉祝する市民の集い」が開かれ、400人近くが参列した。「君が代」奉唱、八幡宮の藤崎重康宮司が神武天皇橿原奠都の詔勅を奉読、橿原神宮、皇居遙拝、三条詩吟連盟の5人による御製奉唱に続き、主催する「三条市建国記念の日を奉祝する市民の集い」の小林敬典会長の式辞を嘉瀬一洋副会長が代読した。
式辞では、近隣諸国が歴史戦が熾烈さを増していることを憂い、日本は歴史神話を否定された戦後教育が続いたが、昨年7月に第2次安倍内閣は集団的自衛権の行使を可能にする憲法解釈を閣議決定したことを「日本として意志が初めて明確にされた」、「これにより日本もふつうの国に一歩近づいたと言える」と評価した。
国会議員には「国防のあるべき姿について真剣に議論していただきたい」と求め、憲法改正の声があがるなかで「今こそ誇りある日本の再生に向けて憲法改正を実現するため、全国民が立ち上がるとき」とした。
来院祝辞で金子恵美衆院議員は、自民党の憲法改正草案では、天皇を元首とし、国旗は日章旗、国歌は君が代とするとあり、「安倍首相は来年の参院選後としているが、自民党はことしが結党60年の節目の年であり、ことしが憲法改正のスタートの年とすべてきであると個人的に思う」との考えを示し、「わが国は伝統と歴史を脈々と刻んできた。このなかで尊い平和と繁栄をもってきたが、これを次の世代へもしっかりと受け継ぐべく、わたしも今を生きる政治家のひとりとしてしっかり役割を果たしたい」とした。
燕市では、午後2時から吉田産業会館で「建国記念の日」燕・西蒲奉祝式典が行われ、約150人が参列した。国歌斉唱のあと主催する「燕・西蒲建国記念の日奉祝の会」幹事の戸隠神社・星野和彦宮司が神武天皇橿原奠都の詔勅を奉読し、「世界192カ国のなかで、これだけの長い歴史をもっている国は日本をおいてない。どうか皆さん、誇りをもってきょう、ただいまからの日本人として正面を向いて歩んでいきたい」と述べた。
橿原神宮遙拝に続き、田野隆夫会長が式辞。田野会長は「諸悪の根源である現行憲法を改正し、主権国家にあいふさわしい、わたしたちでつくる自主憲法の制定、教育の正常化など戦後政治の総決算のため国民世論の形成になおいっそう強力な国民運動を推進しなければならない」とした。
「わが国を取り巻く内外の諸情勢は、混迷の度合いを増してきている」、「現下、日本の危機的状況に対処し、誇り高き日本の国づくりに立ち上がるべき」。「日本を取り巻く近隣諸国との安全保障環境は戦後最大の危機に瀕しており」、「日本を守るとは何か、今こそ、わたしたちは原点に立ち返り、神武天皇の精神に思いをいたすことが必要」で、「現実を直視し、父祖のえいえいと築いてきた麗しい祖国、日本を守り、子や孫に伝えていくことこそが天皇陛下へのご恩に報いる方策であり、今に生きるわたしたちの最大の務め」との考えを示した。
「きょう、この日が世界に冠たる長い歴史と文化を有する日本人としての心を呼び覚まし、誇りある日本国、誇りある日本人としての精神的基盤を確固たるものとすべく、さらなるご自覚と行動を期待」して締めくくった。
来賓祝辞で鈴木力市長は、日本がクールジャパンとして世界から注目され、和食が世界遺産になったことにふれ、「われわれの先人が築き上げてきた自然と共生する、あるいは地域の人たちが一生懸命、きずなづくりをし、支え合っていくそういったすばらしい歴史と伝統、文化が築き上げられてきたんだろうと思う」。
燕市は国際的な人材を育成する取り組みを行う一方、ふるさとを愛し、誇りをもてる教育も行っており、「これからも日本一輝くまち燕市を目指して教育、産業の振興、福祉の向上に取り組んでまいりたい。それが日本全体の反映にもつながっていくものと確信している」と述べた。