燕市の鈴木力市長は19日行った記者会見で平成27年度当初予算案の概要と主要事業を発表した。一般会計は前年度比1.8%減の378億4,500万円、借換債を除く実質的な予算規模は同5.8%減。特別会計を含めた合計は同2.6%増の605億4,208万円とした。
一般会計の歳入は、根幹の市税は個人と法人市民税を増加としたが、固定資産税の評価替えで前年度比1.7%減の99億8,174万円。市債は借換債が13億8,168万円増加したものの、旧庁舎の改修事業や西部学校給食センター建設事業など大規模が事業が終わって合併特例債29億5,320万円減ったため、前年度比14.6%減の89億0,857万円とした。地方交付税は同6.0%増の65億7,000万円を見込む。
会計名 | 予算額 | 対前年度増減額 | 対前年度比 | |
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一般会計 | 378億4,500万円 (336億8,463万円) |
▲6億9,200万円 (▲20億7,368万円) |
▲1.8% (▲5.8%) |
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特 別 会 計 |
国民健康 保険 |
92億1,448万円 | +8億9,384万円 | +10.7% |
後期高齢者 医療 |
6億9,941万円 | +1,203万円 | +1.8% | |
介護保険 事業 |
79億9,177万円 | +3億9,585万円 | +5.2% | |
公共下水道 事業 |
38億5,620千円 | +8,884万円 | +2.4% | |
土地取得 | 9億3,522万円 | +8億3,999万円 | +882.1% | |
企業団地 造成事業 |
平成26年度末で 廃止 |
▲135万円 | ▲100.0% | |
合計 | 605億4,208万円 563億8,172万円 |
+15億3,721万円 (+1億5,552万円) |
+2.6% (+0.3%) |
※( )は借換債を除いた実質的な予算額等
一般会計の歳出では、平成26年度補正予算と一体的に定住人口、活動人口、交流・応援(燕)人口の増加を目指す。公債費は前年度比22.6%増の78億1,212万円と大幅な増加だが、借換債を除く実質は1.6%増の36億5,175万円と微増。民生費の社会保障関係経費などは増加しているが、やはり大規模事業の終了で歳出全体では1.8%減の378億4,500万円とした。
区分 | 予算額 | 対前年度増減額 | 対前年度比 | |
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自 主 財 源 |
市税 | 99億8,174万円 | ▲1億7,436万円 | ▲1.7% |
諸収入 | 21億6,693万円 | ▲6億2,988万円 | ▲22.5% | |
繰入金 | 14億1,938万円 | 2億4,391万円 | +20.8% | |
その他 | 13億8,349万円 | +4,235万円 | +3.2% | |
依 存 財 源 |
市債 | 89億 857万円 (47億4,820万円) |
▲15億1,822万円 (▲28億9,990万円) |
▲14.6% (▲37.9%) |
地方交付 税 |
65億7,000万円 | +3億7,000万円 | +6.0% | |
国・県 支出金 |
52億8,558万円 | +5億5,226万円 | +11.7% | |
その他 | 21億2,933万円 | +4億2,194万円 | +24.7% | |
合計 | 378億4,500万円 (336億8,463万円) |
▲6億9,200万円 (▲20億7,368万円) |
▲1.8% (▲5.8%) |
※( )は借換債を除いた実質的な予算額等
また、国の緊急経済対策である「地域住民生活等緊急支援のための交付金事業」として「地域消費喚起・生活支援型」、「地方創生先行型」の2つの交付金を活用した事業についても説明した。
「地域消費喚起・生活支援型」は総予算1億1,300万円で、国からの交付金は1億1,258万円。商店街が発行するプレミアム商品券のプレミアム分20%を助成するプレミアム商品券発行補助と、地場産品を多く扱う店で燕製品を20%割り引く差額を助成する燕製品販売促進にそれぞれ5,000万円、さらに市内や近隣の宿泊施設での宿泊と市内で使える商品券3,000円ををセットにしてネット販売する商品券分を補助する旅行券発行に1,300万円を計上した。
「地方創生先行型」は予算1億1,249万円で、つばめ産業ブランド創生、若者・女性が輝くつばめ、ホストシティつばめの3つのプロジェクトに取り組む。鈴木市長は新規事業を中心に話した。
まず「定住人口の増加」でチャレンジ・ファーマー支援事業(8,000千円)で農業者等が行う事業費を50万円を上限に1/3以内を補助、栽培コストの低減や規模拡大などを目指す水稲の直播栽培にチャレンジする農業者等の機械購入費を60万円を上限に1/2以内を補助。移住・定住促進総合事業(9,000千円・H26補正予算額6,480千円)で企業ガイドブック作成と就職セミナー参加、移住・定住促進PR媒体の作成と情報発信、首都圏在住大学生等交流事業(東京つばめいと)、地域おこし協力隊の設置。
子育て総合支援センター運営事業(8,129千円)で子育て総合支援センターを開設。羽ばたけつばくろ応援事業(1,027千円)で若者たちの夢の実現や社会参画の活動を支援し、個人で高校生から20歳、団体で小中学生から20歳を対象に個人1件当たり10万円まで、団体1件当たり25万円まで補助。移住家族支援事業(H26補正予算30,000千円)と定住家族支援事業(16,950千円)で住宅取得費用の一部を助成し、助成の上限は移住・転入向けが100万円、定住が50万円。井土巻高速バス乗場駐車場運営事業(269千円)、笑顔あふれるやすらぎの公園整備(104,403千円)で大河津分水さくら公園整備事業と吉田ふれあい広場整備事業を実施する。
「活動人口の増加」で女性雇用促進職場環境整備支援事業(H26補正予算5,000千円)で託児所、女性専用のトイレ、更衣室、休憩室など女性が働きやすい職場環境を整備。女性が輝く研修交流事業(H26補正予算742千円)で女性対象のキャリア研修と女子会トークを実施。男女の出会いサポート事業(H26補正予算597千円)で縁結びサークルの支援、出会い応援団の募集、出会いイベントの開催なを行う。
健康づくりマイストーリー運動(4,412千円)は、健康管理のツールとして新たにウェブシステムを導入。学校・地域連携促進事業(5,000千円)で市内小中学校と地域の連携を促進する経費を1校あたり上限25万円を助成。
「交流・応援(燕)人口の増加」のテーマでは、東京五輪キャンプ地誘致事業(2,711千円)でアーチェリーを中心にオリンピック・パラリンピックの事前キャンプ地の誘致活動、PRリーフレットの作成を実施。着地型観光分野では、観光プロモーション事業(観光協会補助事業)(H26補正予算3,000千円)、つばめ「おもてなし力」アップ事業(観光協会委託事業)(H26補正予算10,000千円)、観光エリア魅力アップ促進事業(燕・弥彦地域定住自立圏共生ビジョン)(16,875千円)、燕三条インバウンド推進事業(地場産センター負担金)(H26補正予算7,000千円)、産業史料館インバウンド受入環境整備事業(H26補正予算5,000千円)、加えて燕・弥彦地域定住自立圏共生ビジョン推進事業(114千円)。
道の駅国上整備事業(89,701千円)道の駅国上のトイレ・売店の設計、トイレ整備工事を実施。若手農業者経営活性化支援事業(ゼロ予算)で農業版の若者会議のようなイメージで若手農業者との懇談会を開催。Wi-Fiステーション整備事業(H26補正予算59,400千円)で学校などの施設に無線LAN環境を整備し、ICT教育の活用とともに災害時における情報通信手段を確保。(仮称)燕西児童クラブ整備事業(7,000千円)で燕西幼稚園と燕保育園を統合するのに伴って空いた燕西幼稚園の園舎を児童クラブとして整備する。
慢性閉塞性肺疾患進行予防事業(529千円)で慢性閉塞性肺疾患の無料の簡易検査を実施。燕市地域包括ケアシステム構築推進事業(931千円)、在宅医療・介護連携推進事業(16,961千円)で在宅医療・在宅介護の支援窓口を吉田地区地域包括支援センターに設置。若者就労支援事業(1,260千円)で燕市で就労支援を受けられる体制を整備する。
療育支援体制構築準備事業(180千円)で療育支援体制の構築に取り組み、視覚などが不自由な人のために広報つばめ音声訳事業(1,363千円)で広報つばめを音声訳したCDなどを製作、燕市公式ウェブサイトリニューアル事業(3,000千円)で音声読み上げに適したテキストページを作成。手話通訳者等頸肩腕障がい検診助成事業(50千円)で手話通訳者や手話・要約筆記奉仕員の頸肩腕障がいの検診にかかる自己負担費用などを助成する。
スポーツで、分水武道館耐震改修事業(13,500千円)で27、28年度で耐震改修工事の設計業務委託を実施、可搬式投光器照明整備事業(3,479千円)でナイター設備の無い施設でも夜間練習ができる充電式ポータブルLED投光器を導入する。
防災では、木造住宅建替耐震化事業(1,200千円)で耐震性能が基準に満たない住宅の建替に対し建替工事費を一律30万円補助。環境関連でカンカンBOOK(資源ごみ回収・子育て支援連携事業)(100千円)で資源ごみの再資源化を促進し、回収した資源ごみの売却益を児童館の図書購入費に活用。
市街地環境の整備として、新興野地区雨水対策事業(18,000千円)27年度から31年度にかけて排水路と調整池の測量と設計を実施。公園や緑地の整備充実として、大河津分水さくら公園整備事業(42,000千円)で大河津分水さくら公園に遊具などを設置し、親水空間の場として整備、吉田ふれあい広場整備事業(62,403千円)で人気のゴーカートや複合遊具など老朽化した遊具や外周フェンスを再設置。「想いを形に」かがやきベンチ事業(450千円)で思いを形に残すために公園に寄贈者名とメッセージを記念プレートに刻銘したベンチを寄付する制度を導入する。
道路網の整備として、側溝修繕事業(44,000千円)で燕地区で延長600m、分水地区で200mの区間の劣化したコンクリート側溝を改修。道路付属物修繕事業(11,000千円)で道路標識1カ所、道路照明7カ所を更新。中島環状線他雪寒事業(57,000千円)で分水北小通学路の沿線にあおい保育園のある本路線に井戸と消雪パイプを整備する。
公共下水道早期接続促進事業(5,910千円)として下水道の供用開始後2年以内に接続した人に早期接続報奨金として1年以内に接続で3万円、2年以内に接続で2万円を交付。個人番号カード交付事務事業(28,516千円)で国の施策である社会保障税番号制度(マイナンバー)の導入を進める。旧燕工業高校跡地活用事業(265千円)で旧燕工業高校跡地の事業者提案制度を導入し、有効活用を図る。
そして28年3月20日に合併10周年を迎えるのに伴って合併10年記念事業を実施。新規事業はないが、燕マラソン大会(686千円)のゲストランナーに1991年世界陸上選手権東京大会マラソン金メダリストの谷口浩美さんを迎える。子どもを育む推進事業(1,350千円)で中学生観劇会「泥かぶら」の実施。文化会館自主事業(22,386千円)でTOKI弦楽4重奏団、映画「夢は牛のお医者さん」(自主映画上映会)、ミュージカル「クリスマスキャロル」上演などを実施する。
燕市美術展覧会開催事業(1,350千円)で10回記念特別賞の授与、記念講演会の開催、記念図録の作成・販売。そして合併10周年記念式典(1,160千円)を行う。