三条市教育委員会は、中小企業大学校三条校=三条市柳沢=20、21日の1泊2日の中学生リーダー研修会「勇志塾」を開いた。ことしも市内9つの中学校の生徒会役員など中学生38人が参加し、国定勇人三条市長をはじめ燕三条地域をリードする各界の講師に学んだ。
三条、新潟、そして日本をリードできる人材を育成し、各校の生徒会づくりや社会づくりに貢献できる資質を養おうと一昨年から毎年開いており、市内9中学校すべてから各校の生徒会役員4、5人ずつが参加した。
初日20日は生徒会リーダー研修会で始まり、「三条市の未来を拓く君たちへ」をテーマに国定市長による基調講演、国定市長と斉藤弘文三条商工会議所会頭、杉野良介三条信用金庫相談役との会食に続き「三条の未来を語る」をテーマにフォーラムディスカッションを行った。
2日目は、ガレージ1講師の曽田信子さんとNSCAトレーナーの高野聖さんを講師に「心と体のメンテナンス・トレーニング研修」。4人の講師によるワークショップ研修、講師との会食、燕三条ラーメン王国国王でもある梨本商店社長の梨本次郎さんから「進路の意識とチャレンジ精神」のテーマで講評と講話を聞いた。
ワークショップ研修は、スノーピーク社長の山井太さんが「自然と人間をつなぐコトづくり」、諏訪田製作所社長の小林知行さんが「ものづくりと今を生きる営み」、イタリア野菜研究会会長の内山徳寿さんが「恰好悪くない農業」、三条市国際交流員のピーター・カーターさんが「異文化コミュニケーション」の4人がそれぞれテーマで行い、生徒はそのなかからひとつを選んで参加した。
諏訪田さんは「日本のものづくりは、きれいで正確で(相手が喜んでくれることを考える)人の気持ちがあらわれている」と話し、生徒会も相手のことを考え、自分たちの学校でしかできないことを考えてみてはと提案。さらに「頭の中で考えるだけでなく実行すること」が大切とも話した。
「好きなことを仕事にした方がいい、成功の確率が高い」と話した山井さんに、「私はまだ好きなことがよくわからなくて、見つけるためには」と生徒が質問。山井さんは「好奇心をもって、いろんなことを経験してほしい」とアドバイスし、大学4年生くらいまでに見つかればいい、まだ時間はだいぶあるとエールを送った。
内山さんのグループでは、農業は年配の世代がやっていると思っていたが若者や法人でしていること、シュンギクやカブを生で試食して甘いと知ったことなどその場で新たな経験をした生徒に、「失敗は成功のもと、やり直しはできるので、たくさんの経験をした方がいいい」と内山さん。
ピーター・カーターさんは、「外見だけでは、その人の文化はわかりません」。ジェスチャーひとつでも国によって意味が違うことなど実例をあげ、勝手な思い込みや判断によって相手が傷つくこともあることも話した。
それぞれの講師が自身の仕事や取り組み、経験などを通じて、その思いや考え方などを生徒に伝えた。どのグループでも生徒たちは、広い視野で地域をリードする人生の先輩の言葉をひとつも聞き逃さないようにといったふうに身を乗り出して聞き、メモしていた。