燕市分水地区の笈ヶ島自主防災会が14日、宮城県仙台市で開かれる国連防災世界会議で事例発表を行い、地区防災計画策定の先進事例として防災マップを発表する。
国連防災世界会議は3月14日から18日まで開かれる。国際的な防災戦略を策定する国連主催の会議であり、国連主催の本体会議と政府、地方自治体、NPO、大学、諸団体などが主催するシンポジウム・展示といったパブリックフォーラムで構成される。来場者は各国首脳、閣僚、国際機関代表、国際認定NGOなど約5,000人、全体で4万人以上の参加が想定されている。
笈ヶ島自主防災会の発表は、その初日に東京エレクトロンホール宮城で行う。笈ヶ島自主防災会の代表者が地域の防災マップ作成や防災活動取り組み状況、課題などを発表する。そのほか全国から10地区ていどが発表の予定。
地区防災計画とは、地区の住民などが自発的に行う防災活動に関する計画。地区の特性や想定される災害に応じて、多様な形態をとることができ、内容は住民が自由に決められる。笈ヶ島は、今年度の内閣府のモデル事業として全国15地区のうちのひとつとして地区防災計画の策定に取り組んでいる。
25日の記者会見で鈴木力市長は、燕市が防災リーダー養成講座の講師に迎えている長岡造形大学の沢田雅准教授によると、笈ヶ島地区の取り組みは3つの特徴があると紹介した。
一般に防災に一生懸命なのは過去に災害の被害を受けた地域や巨大な災害が予想される地域だが、笈ヶ島地区は大きな災害に見舞われたことがなければ、大きな災害も心配されていないなかで自主的に防災マップ作りに取り組んだ。
2つ目は、取り組みのきっかけは防災リーダー講習会だが、それにとどまらずリーダーが自主的に地域の声をかけて取り組んでいる。3つ目は防災マップをつくる過程で避難所を考えるなか、地元の高い建物がなく、自主的に地域の民間事業所に避難所として避難者の受け入れを模索して始めていることで、鈴木市長は「頑張って発表してきていただきたい」と期待した。