新潟県物産見本市協会や燕市、燕商工会議所などは25日、燕三条地場産業振興センターで平成26年度ジャパン・ツバメ・インダストリアルデザインコンクールの審査会を開き、最高賞の経済産業大臣賞に(株)タケダ=武田太一代表取締役・燕市灰方=の「MiLLi SECOND メタルメジャー」を決めた。
燕市産品のデザインの高度化と振興を図ろうと昭和52年に「にいがた県燕市物産デザインコンクール」の名称で始まったコンクール。金属洋食器、金属ハウスウェア、関連製品、新分野開発商品で、企画力とデザイン力に優れたオジナリティーあふれる製品を募集した。
ことしも2部門で募集し、「金属洋食器・金属ハウスウェア部門」に15社の20点、「関連製品・新分野開発製品部門」に17社から20点の応募があり、全体の応募点数は昨年の35点を5点上回った。
25日の審査会では、長岡造形大学の豊口協名誉教授を審査委員長にデザイン関係者など10人が審査した。両部門で1点の最高賞の経済産業大臣賞と「金属洋食器・金属ハウスウェア部門」3点と「関連製品・新分野開発製品部門」の3点、さらにその他として協会奨励賞2点の計9点の受賞を決めた。
豊口名誉教授は、最後に4点ほどで決選投票を行い、1票差で「MiLLi SECOND メタルメジャー」に決まったと話した。この製品は“コンベックス”とも呼ばれる計測部は薄い金属製で自動で巻き取られるメジャー。アルミの削り出しで、握った手の平に隠れるほど小型で、平たいそろばんのたまのような形状をしている。ひもやチェーンをつけてペンダントにしてもおかしくいほど洗練されたデザインだ。
同社は金属の切削加工を行っているが、最終製品を作ったのは初めて。豊口名誉教授は「使わなくてもいいから持っていたくなる。今までメジャーをこんな魅力ある形にしたものはない」、「デザインをやってる連中も、やりやがったな、という作品」、「ひとつの新しい方向性を引き出した」とデザイン性と着眼点を高く評価した。
ほかにも一枚しぼり製法にこだわった湯のみ、金属の表面に漆で蒔絵(まきえ)のようなデザインを施したカップ、江戸切子のなかでもとくに新しい黒い江戸切子を柄に使った洋食器、無駄な装飾をいっさい排除してデザインや大きさを子ども向けにした金属洋食器などの魅力を話した。
ほかにも今回は初めて最終製品を手掛けた会社や初出品した会社が目立ち、「このコンクールの機能、役割が広がってきた」と豊口名誉教授は成果を喜んだ。全体的には「前向きな姿勢が非常にあらわれていた」、「燕から新しいものづくりのメッセージが花を開き始めた」と話した。経済産業大臣賞を除く受賞作品は次の通り。
金属洋食器・金属ハウスウェア部門」 | ||
中小企業庁長官賞 | 「三作」 ササゲ工業(株)・長岡市寺泊 |
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経済産業省 商務情報 政策局長賞 |
「漆磨(シーマ)」(シングルカップL、2重構造ストレートカップ) (株)アサヒ・燕市燕 |
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関東経済 産業局長賞 |
「Venus Line SERIES cutlery」 燕振興工業(株)・燕市小池 |
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関連製品・新分野開発製品部門 | ||
関東経済 産業局長賞 |
「ステンレス鋳物ホーロー鍋 L'hirondelle」 (株)サトウワックス・燕市分水弥生町 |
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新潟県知事賞 | 「ペレットストーブ RS-4」 (株)さいかい産業・新潟市西区みずき野 |
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協会会長賞 | 「COsOL KEEPER」 (株)曙産業・燕市南1 |
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その他 | ||
協会奨励賞 | 「江戸切子カトラリー5pc(ブラック・ブルー・レッド)」 (株)荒澤製作所・燕市水道町1 |
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「チャイルドカトラリー」 (株)トーダイ・燕市物流センター |