燕市立吉田小学校3年生は27日午前、「本町(もとまち)きゅうり」として地元で栽培されているキュウリのハウス栽培を見学した。
3年生の社会科としてものづくりの現場にふれ、総合学習として夢に向かってやりがいや生きがいをもっている人を勉強しようと毎年、キュウリ栽培の現場の見学を行っており、ことしで約20年にもなる。ほかにもものづくりの現場として市内のパッケージ会社を見学し、あとで燕市にものづくりをPRするパンフレットを作る。
キュウリの見学先は、ことしも燕市吉田本町地区で野菜を栽培する本町蔬菜(そさい)出荷組合(加藤達男組合長)の案内で、農業樋浦幸彦さん(37)のハウス。同組合組合員は15人で、うち9人がキュウリを栽培する。
「本町きゅうり」は、いわばブランドキュウリ。県内で最も早く集荷される春キュウリで、とくに早い時期のものほど皮が薄く、甘みがあり、春ならではのキュウリを味わえる。樋浦さん方では、それぞれ1千平方メートルの広さがある2つのハウスでキュウリを育てており、今は花が盛り。3月10日ころが初出荷となりそうだ。
3年生は2クラス64人で、クラスごとに順番に訪れて見学。講師役の組合員数人からキュウリの栽培などについて話を聞いた。ハウスの中には1,500本のキュウリがあり、1本から100本のキュウリが収穫できると聞き、「15万本?」、「へー!」と大きな声を上げて驚いた。
児童の関心は高く、「(ハウスの)空気は入れ換えするの?」、「いつぐらいが旬?」、「キュウリのいちばんおいしい食べ方は?」、「土の上に敷いてあるのはなに?」と、次々と質問。黄色の花の香りをかいでみて、「キュウリのにおいがする!」と喜んだり、花の下が膨らんでできたキュウリの“赤ちゃん”に感激したり。
「どうしてこんなに葉っぱが大きいの?」という質問に組合員は、「光合成をするためにいっぱい光りが浴びられるようにだよ」と、できるだけわかりやすく説明。「花の近くのトゲトゲはきっと身を守るためだ」と、キュウリをじっくり観察して自分でも理由を考えていた。ハウスの中には児童の知らないことがいっぱいだった。
会場を提供した樋浦さんは、個人で中学生の見学の受け入れも行っている。同組合でも要望があればできる限り見学を受け入れるので、見学したい人はJA越後中央吉田営農センター(電話:0256-93-5257)へ。