三条市は2日、文化庁から届いた登録有形文化財に登録された旧新光屋米店兼主屋と精米所の登録証と登録プレートの伝達式を行った。
登録されたのは、三条市・一ノ木戸商店街のみんなのまちの交流拠点「みんくる」として活用されている建物。旧新光屋米店の敷地の手前にある店舗兼主屋は、木造2階建、入母屋造妻入、桟瓦葦(さんがわらあし)で、昭和3年ころの建築で町屋づくりとなっている。
奥にある精米所は、煉瓦(れんが)造平屋建、煉瓦はフランス積。築百年前後になる大正期の建築で、銭湯として建築されたものを旧新光屋米店が買い取った。市はこれらの建物を借り、リノベーションして「みんくる」として活用している。
伝達式には、建物の所有者でここで生まれ育った6人きょうだいの末っ子、鈴木梅子さん(80)=三条市嘉坪川=とその姉の娘でめいにあたる堀越カズさん(70)=長岡市寺泊=が訪れ、市生涯学習課の長谷川健康課長から2人に登録証と登録プレートを手渡した。
体調を崩している車いすに乗った鈴木さんに代わって堀越さんは、鈴木さんから聞いた言葉を「生まれ育った場所が価値あると認められてびっくりするやら、うれしいやら。自分が今までここを守ってきて本当に良かった。これから三条の市民の皆さまに大切に活用していただけるのはこのうえない喜び」と紹介した。
この建物の調査を担当した三条市文化財保護審議会委員も務める長岡造形大学の平山育男教授は「これからも皆さんのお力添えで一生懸命、使っていただいて未来に伝えていってほしい」と話した。
このあと平山教授は、煉瓦がフランス積みされているようすや煉瓦のなかに木製の煉瓦が混じっている理由、市内に残る町屋との比較などについて解説した。登録プレートはあとで同所の目立つ場所に掲示する。