三条市内の9中学校すべてで6日、卒業式が行われ、合わせて999人が9年間の小中一貫となった義務教育を終えて、それぞれの道に向かって学びやを巣立った。
来賓として国定勇人市長が出席した本成寺中学校(馬場郁夫校長・生徒315人)では体育館で第68回卒業証書授与式を行い、男子59、女子47の計106人が卒業した。
午前9時15分、吹奏楽部の演奏と在校生や教諭、保護者、来賓の拍手に迎えられ、胸にピンク色のリボンを付けた卒業生が入場。担任に名前を呼ばれてステージに登壇した卒業生一人ひとりに、馬場校長は「おめでとう」の言葉とともに卒業証書を手渡した。
馬場校長は式辞で、アメリカの歌手レディー・ガガについて話した。学校でひどくいじめられたが、自らの努力と鍛錬で世界的名声を受けたというもの。
「踏まれても踏まれてもなお自分を、なお自分の願いを見失わない人に授けられる強さとたくましさがそこにあった」、「決してあきらめることなくこうした奇跡を起こせる人であってほしい」、「皆さんにはどうか自分の心を鍛え、あきらめることなく、三条、新潟、世界にもはばたく人になってほしい」と卒業生の活躍を願った。
来賓の国定市長は祝辞で、用意した文面に続いて自身のエピソードを語りかけた。「中学校のときの仲間はかけがえのない存在です。おとなになってから知り合う仲間ももちろん大切だが、決しておとなになってから知り合う仲間のなかでは得ることのできない特別な関係が、皆さんのなかでは、すでに3年間、着実に実を結んでいる」と、おとなになってあらためて痛感する少年期の友情のありがたさを伝えた。
これから歩む道には、さまざまな苦難が立ちふさがり、夢の実現の前にさまざまな苦難が待ち受けているが、「皆さんなら確実にそれを乗り越えることができます。ただし、ひとりの力で乗り越えるのではなく、この100人余の仲間とともに、仲間の支えをもらいながら初めて乗り越えることができる」と友情の大切さを繰り返した。
在校生代表で新生徒会副会長の2年生高橋茉希さんが送辞で感謝と礼を述べ、卒業生代表の生徒会長山本勘太さんが答辞を述べた。
山本さんは、中学校生活を振り返り、「この3年間で得たものは、あきらめない心です」。すぐに結果が出ないことがたくさんあったが、あきらめずに努力を続け、結果が少しずつ出たときはうれしく、あきらめずに続けられたことは誇りに思っていると話した。
さらに、結果が出たのは自分だけの力ではないと言い、「この仲間がいたからきょうまで頑張ってこれたと思います。今までありがとう」と国定市長の言葉を受けたかのように話し、「仲間との別れは寂しいですが、成長しなければなりません。ぼくたちは自分で決めた道を胸を張って歩いて行こうと思います」と決意とともに、在校生、教諭、地域、保護者へと感謝の気持ちを伝えた。
閉式後、卒業生全員がステージに上がり、在校生とともに全員で卒業を祝う歌『旅立ちの日に』、卒業生による卒業記念合唱『3月9日』を合唱し、中学校生活を締めくくった。
たくさんの思い出や感謝の気持ちを込めた歌声が体育館に響くと、男女ともこらえきれずに涙があふれる卒業生も多く、教諭や在校生や保護者もハンカチで涙を拭きながら卒業生の門出を祝った。国定市長も涙したと話していた。ほとんどの卒業生は、9、10日に行われる県公立高校の入学試験に臨む。