三条市議をやめて4月の県議選に三条市選挙区で民主党公認として立候補する新人の藤田博史氏(45)の事務所開きが8日、1階に菊田真紀子事務所を置く三条市東裏館1のビルの2階で行われ、支持者ら200人近くが集まって必勝と三条市選挙区での自民党の2議席独占阻止を誓った。
藤田氏は決意表明で、市議だった父の雄司氏が苦労している姿を見て、絶対に市議にならないと決めていたが、国定勇人市長を支えようと2010年に市議選に立候補し、初当選した経緯を話した。
昨年4月に2期目の当選を果たしてからまだ1年足らずだが、市議から県議へくら替えする理由は3つあるとして話を進めた。1つ目は、市議を続けるなかで強い思いをもった、「三条市が一生懸命に頑張っているのに新潟県が少しもバックアップをしてくれない。むしろ足を引っ張るケースがでてきている。これを何とかしなければいけない」ということ。
地方分権が進み、中心となる市町村をバックアップする県政を確立しなければ少子高齢化のなか生き残るのは難しい。国定市長と10年間、市政にかかわり、その「強いパイプをもって県政にのぞみたい」。
2つ目は「この地域がこれから残っていくためには、しっかりした産業振興政策を打っていかなければならない」。しかし現状は三条市の実態にあった施策が打たれず、企業経営者や起業しようとする若者の気持ちを県に伝えなければならない。
20歳代から三条エコノミークラブに所属し、その仲間と話し合った実績がある。働いている人たちの声を聞く耳をもち、「この三条市の産業、経済振興策をどんどん打っていきたい」。
3つ目は、三条市選挙区は2議席とも自民党であること。以前は自民党ともう1議席はそれ以外の党だった。三条市は反骨精神あふれる人のまちで、多種多様な意見をもっているのに、自民党の2議席独占は多様な声が県政に通じない。4年前に無所属の候補者を支援したが、その後、別の党(自民党)に変わった。「多種多様な意見を県政にもっていくべく、決意をさせていただたいた」。
三条市が生み出した滝口恵介、竹山昭二の2人の気骨あふれる県議に教えを請い、この場に立っている。この反骨精神をもってこの三条市を、産業を良くしていきたい。この地に住む人たちの命と安全を守るために、この3つの理由で出馬する決意をした」。
新人で知名度がないが、「お集まりの皆さんの顔を見て力がわいてきた」。「三条市を良くしていきたい、県政を発展させていきたい、新潟県を発展させていきたい、今、強くわたしは思いをした。なにとぞわたしに皆さまの力を与えてください」と支援を願った。
元県議の滝口恵介選対本部長は今回の県議選を「最後の思いを込めて戦っていく覚悟」とし、立候補する人がなかなかでないなか、「よくぞ決断してくれた」と喜んだ。滝口選対本部長が初めて県議に出たのも今の藤田氏と同じ45歳のとき。そんな思いがあるから「死に物狂い」で「なにがなんでも勝たねばならない」。
高橋一夫元市長が後援会を引き継いでくれたときは、9票差で勝った。「9票差とか何票差ぐらいの差で勝ち抜ければというふうに考えている」として支援を求めた。
元市長の高橋一夫顧問は、安倍内閣の円安、株高の政策を批判。円安で輸出企業はもうかっているが、値引きしなくていいというのは一次下請けで、さらにその下請けには値下げ要請が続いているという地元の声を聞き、末端にまで利益は還元されない。法人税減税の政策も、もうかっていない赤字の企業には関係がない。外形標準課税の導入も必要で、このままでは「去っていく企業が増える」。
さらに安倍首相のいう“決められない政治”に危うさを感じ、沖縄県知事に会わないこと、この日の朝のニュースでドイツで原発反対のデモが行われているニュースを見たことなど、現政権を批判した。
昨年の衆院選は「訳のわからない選挙」で、今回の地方選挙で再び自民党が圧勝すれば安倍政権の政策にお墨付きを与えることになり、「三条で自民党が2議席を独占することは許されない」。滝口選対本部長は9票差でも勝たせてほしいと言ったが、「圧勝する形で勝たないと」、小差では「まったく問題外」。
「藤田君が圧勝する。安倍さん、そうじゃないんですよ。もっとみんなの意見を良く聞いて、政治をやってください。そうじゃなけりゃ困りますという意思表示をするのが、この三条の県議選だと考える。皆さんの力を結集して藤田君が圧勝するような選挙戦をやってほしい」と激励した。
藤原政志幹事長は、三条エコノミークラブで藤田氏の3つ後輩で、「仲間としてサポートしていきたいが、なにぶんにも微力であり、皆さまの力をいただきながら戦っていきたい「とした。
来賓の菊田真紀子衆院議員は、市議会の議席を投げ打っての県議選挑戦がうれしかったが「正直、大丈夫かなという気持ちもあった」。しかし、これまでの頑張りを見て「この人は出るべくして出できた人だな。そして本当にチャレンジャー。不屈の精神をもっている。間違いのないという思いを堅くした」。
ことしに入ってから清流大橋のたもとで毎朝、ひとりでつじ立ちしているのを見た。誰かスタッフをつけようと言ったが、藤田氏は「これはわたしの修行、わたし自身がやらなければいけないことだから、ひとりでできるところまでやってみると言った」。
「選択肢のない政治はだめ」と自民党が圧勝した国会での自民党の姿勢を批判したうえで県議会も三条市選挙区は自民党が2議席を独占の問題を指摘。「多様な意見をくみとって政治家は決断していかなければならない」。
「4月3日の告示日までものすごく鍛えられてさらに大きな人間となって、皆さんの期待に応えられる政治家として立派に県議会に送り出していきたい」と支援を求めた。
熊倉均前市議会議長は「この選挙はなんとしても藤田君を県政に送らなければならない選挙」、連合新潟県央地協の宮口貴章議長は「連合新潟はすでに推薦手続きも終わってる。ばんばんと藤田さんが当選するべく支援をして勝利を勝ちとっていきたい」、さらに菊田衆院議員の後援会の栄地区会長、下田地区会長、友人などが藤田氏を激励。連合新潟県央地協の佐藤春男事務局長の音頭で「勝つぞー」コールを行って終わった。