7日から15日まで新潟市・岩室温泉の旅館に武蔵野美術大学(東京都小平市)の卒業制作作品を展示して開かている「アートサイト2015岩室温泉」のイベントのひとつとして13、14の2日間、同大学教授から油絵の手ほどきを受ける「一日画家体験!〜油絵を描いてみよう〜」が開かれている。
1回2時間の体験でサムホールの作品を完成させる。午前10時から、午後0時半から、3時からの1日3回あり、初日13日は3回で計14人が参加した。
講師は芸術文化学科の是枝開教授。画用液の種類や性質を簡単に説明し、用意した鉢植えの花と名画の模写のどちらかを選び、難しいことは抜きにさっそくカンバスに鉛筆であたりをつけてから油絵の具で描いてもらった。
是枝教授は、参加者が考え過ぎないように描き始めは口を出さず、しばらく立って調子がでてきたところで「色がきれいですね」、「白い所ももっと塗ってください」、「あとでいくらでも直せるので思い切って描いて」、「線と面のコンビネーションがいいですね」と参加者の気持ちをのせるようにアドバイスした。
参加者はさまざまで、絵を描くのは初めてという人から、油絵は初めての人、少し油絵の経験のある人、美術大学へ進学を考えている妙高市から訪れた高校生もいた。
さらに是枝教授は「一度、自分で描いてみると絵の見方が変わってくる」と話し、完成した作品に「結構、見飽きない絵になったと思う」、「いろんな灰色があるので見るたびに違って見える」とほめた。
地元で暮らす75歳の女性は、「大学の先生にほめてもらった」と涙を浮かべて喜び、地元の3人家族は「始めるまで怖かった」、「最初はどうなるかと思った」が、いずれも思った以上の作品が完成し、大満足で持ち帰った。
このイベントは今回のアートサイトで初めて行った。企画したのは芸術文化学科1年の小林奈々さん(19)。「美大生なのに油絵を描いたことがなく、アートサイトで地元の人から油絵にふれてもらおうと。描くことで美術館へ行ったり、有名な絵画を見る機会が増えると思った」。
最初は講師も学生でやろうと思ったが、せっかくならと是枝教授に講師を頼んだ。「絵を描いた経験に関係なく楽しんでいて、2時間で立派な作品ができた。参加者同士の話も弾んで、イメージした以上に楽しんでもらえた」と小林さんは喜び、是枝教授もいろんな意味で「いい体験になりました」と企画に合格点をつけていた。
2日目の14日も午前10時から、午後0時半から、3時からの3回行い、いずれもまだ定員に余裕があり、飛び込み参加も可能。参加費は1000円で現地で受け付け、新潟市岩室観光施設「いわむろや」(電話:0256-82-1066)でも申し込みを受け付ける。