初夏を思わせる陽気だった17日、長岡市寺泊の魚の市場通りには、津軽三味線の音がBGMのように響いていた。
演奏していたのは、津軽三味線ユニット「弾(DAN)」を結成する佐藤匠さん(40)=新潟市=と木田亜矢さん(30)=長岡市=。それに木田さんと同じ師匠に学ぶ中学校3年生の関優里花さん(15)=長岡市=も高校入学まで休みということで一緒に参加した。
「弾」は2000年の立ち上げで、今のふたりのユニットになって7、8年。県内を中心に活動しており、木田さんは昨年の第33回津軽三味線世界大会(旧全国大会)の女性A級部門でチャンピオンに輝いている。
寺泊と道の駅「阿賀の里」でそれぞれ年に数回、ストリートライブを行っている。この日は通りをはさんで市場の向かい側で演奏。市場へ買い物に訪れた人は、てっきり三味線の音がスピーカーから鳴っているのかと思っていたら、生演奏なのにびっくり。
それもチャンピオンの見事な演奏に得をした気分で、市場側からベンチに腰掛けてじっくり聞き入っている人もいれば、民謡が好きだと話しかけてくる人も。市場の人が差し入れしてくれることもあるという
木田さんは4月に東京、5月に青森で開かれる津軽三味線の全国大会を控えてのストリートライブ。「不特定多数の県外の人からも聞いてもらえてありがたい」、「どうやったら人を引きつけられるかという勉強にもなる」と話した。関さんは「一緒に歌ってくれたり、声をかけられたりするのがうれしい」と笑顔だった。