旧新潟交通電車線を走っていた車両、通称「かぼちゃ電車」と旧月潟駅=新潟市南区月潟=の駅舎の保存に務める「かぼちゃ電車保存会」(内山博明会長・会員36人)は22日、冬期閉鎖していた車両を雪から守っていた冬囲いをはずして冬眠から目覚めた、
白山前ー燕駅間を結んだ新潟交通電車線は、1999年4月の廃線まで66年間にわたり「電鉄」と呼ばれた親しまれ、中ノ口川沿線住民の足となった。緑と黄に塗り分けられた車両がカボチャを連想させることから、「かぼちゃ電車」と呼ばれた。高度成長期には隆盛を極めた燕市の洋食器産業を支えた大量の働き手を月潟駅から燕駅へ運んだ。
保存会は廃線翌年の2000年に発足し、車両3両と月潟駅の駅舎を手入れし、保存している。冬場は見学者も少なく、雪で車両がいたむことからビニールシートで車両を覆うなどして冬囲いしている。
冬囲いを設置するのは、10月下旬から週末を使って約1カ月がかりの大仕事だが、はずすのは1日で終わる。この日の冬囲い外しいは会員約20人が参加し、昼までにはずす作業はほぼ終わり、午後からは片付けたや、はずしていた突起物のパンタグラフやバックミラーなどの取り付けなどを行うとともに年に一度の総会も行った。
昼食は恒例で、みんなで車内で仕出し弁当を広げた。「冬囲いがとれると1年が始まった気分になる」と、会員にとっては体に染みついた風物詩。「みんなで食べるとおいしいね」と弁当を味わいながら会話も弾んでいた。
これからは、かぼちゃ電車は休日のほとんどは会員が訪れて車両のかぎを開けるので、中に入ることができる。