燕市東太田、株式会社MGNET(マグネット)=武田修美代表取締役・燕市東太田=は、燕市で初めての開設したオープンファクトリー「FACTORY FRONT」を会場に、4月から燕の産業に特化した製作体験ワークショップをスタートするのに伴って26日、プレスツアーとして報道関係者を対象としたプレ体験会を開いた。
プレ体験会では、4月に行う2つのワークショップを体験してもらった。ひとつは鎚起銅器の玉川堂による靴べらづくり。もうひとつはノーベル賞晩さん会で使われるカトラリーを製造した洋食器メーカーの山崎金属工業によるパスタフォークづくり。燕市の金工作家渡辺和也がワークショップを監修した。
新聞社やテレビ局8社が参加。靴べらづくりは玉川達士工場長を講師に、靴べらの形に切った真ちゅうの地金から、たたいて槌目(つちめ)をつけ、上の部分を丸めて穴を開けてリベットでかしめ、キーリングを取り付けて完成。パスタフォークづくりは山崎修司工場長を講師に、プレスでフォークの形に抜いた真っ平らなステレンスから、道具を使ってカーブを作り、磨いて完成させた。
作業を始めるときはおっかなびっくりでも、作業を進めるうちに少しでも完成度の高さを求めて真剣な表情で取り組んだ。手作業にこんなに集中することはなかなかない。童心に返って夢中になった。
肝心な部分はプロが手直ししてくれるので、初めてでも一定の完成度に到達できる。それでも自分が作ったという満足感は十二分に味わうことができ、体験に参加した人は大満足だった。
鈴木力市長も参加し、パスタフォークづくりでは、カーブになかなか満足できず、修正を繰り返していた。靴べらづくりでは「鎚起銅器の200年の歴史に挑むのは大変」と手こずりながらも納得いくまで作業を続けていた。
MGNETは、昨年10月にオープンファクトリー型新社屋を完成させた。三条市ではスノーピーク、諏訪田製作所、マルナオなどいつでも工場見学できるオープンファクトリーがあるが、燕市ではMGNETが初めて。試作工作やレーザー印字、同社製名刺入れの組み立てなどが体験できる。
この施設を生かして燕の産業の製作体験ワークショップを行うことにしたもの。玉川堂と山崎金属工業のワークショップを4月から10月までそれぞれ毎月1回、行う。プレスツアーでは、それぞれの第1回のワークショップと同じ内容を体験してもらった。参加申し込みや問い合わせは同社(電話:0256-46-8720)へ。6月までのワークショップの日程や内容は次の通り。
■「玉川堂」ワークショップ
■「山崎金属工業」ワークショップ