県議選に向けた藤田博史氏の総決起集会に650人、自民党2議席独占の阻止と県政刷新、原発再稼働反対の姿勢を鮮明に (2015.3.28)

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三条市議を辞職して4月の県議選に三条市選挙区から民主党公認で立候補する新人の藤田博史氏(45)の総決起集会が27日、三条市のジオ・ワールドビップで開かれ、主催者発表で支持者ら650人が参集して同選挙区2議席の自民党独占の阻止と県政刷新、さらに藤田氏は現状での原発再稼働反対の姿勢を鮮明にして支持を求めた。

藤田博史氏の総決起集会の藤田氏
藤田博史氏の総決起集会の藤田氏

三条市選挙区の自民党2議席独占は多様性を確保できないといった趣旨の藤田氏のPR動画を上映したあと、藤田氏は「この選挙はわたしたちにとって負けられない選挙」と始めた。

国定勇人市長を支援しようと三条市議選に出馬し、政治に足を突っ込み、2期5年を務めた。「この政治経験のなかでひとつ、大変、衝撃を受けたことがあった」と4年前の東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故について話し、「自分の浅はかさ、思慮不足を大変に痛感した。今でざんげの気持ちでいっぱいになった」。

それまで原発は容認派だったが「間違っていました」と全面的に非を認めた。政治家は県民、国民の生命の安全を考えることが第一。新潟県には世界最大の柏崎刈羽原発がある。万が一、事故があれば被害を受けるのはわたしたちで、「しっかりとした福島の事故の検証がなき現在、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を認めてはならない。これが政治家としての務め」とした。

必勝コール
必勝コール

県央基幹病院に話を移し、場所も開院時期も決まっていないが、早期完成を訴えていくのも「命を守るための政治家としての役目」、国定勇人市長が進めようとする医療系高等機関の設置も「県を通じてバックアップしたい」。社会資本の整備も不足しており、県央基幹病院へのアクセス道路などの整備も訴えたい。水害から生命と財産を守ることを訴えるためにも「県議会に直接、乗り込み、訴えていきたい」とした。

世界に誇る産業集積地である三条市がグローバル経済を生き残るには、情報産業が主体の新潟市、機械産業主体の長岡市との3つの地域を広域圏として新潟県から発信する必要がある。自身は経済界の出身であり、ここで働く人たちの気持ちがわかる。

650人が来場
650人が来場

もうひとつ強く訴えているのは地方分権。先に自身を含め三条市選挙区に出馬する3人による公開討論会が開かれたが、ほかの立候補者は教育や産業の質問について三条市のことについて話したとし、それをやるのは市町村の仕事で、「そこに口をはさむのは県議会の仕事ではない。県議会、県は市町村がやろうとしていることをバックアップをする。そして後ろに立って球拾いをするのが本来、やるべきこと」との考えを示した。

具体的には観光や経済なら、上越新幹線の減便の問題の解決、新潟空港への直接乗り入れ、港湾の整備などが県議会の仕事。三条市の業界人のひとりとして三条市で何が必要か、何をこの市民が望んでいるか、この5年間、走り、耳を傾け、聞いてきた。

力強く決意を話す藤田氏
力強く決意を話す藤田氏

三条は気骨、気概、反骨精神があふれる町。決してひとつの意見だけでまとまろうとうする町ではない。多種、多様な意見を県政にぶつけなければならない。その声で県政を動かさなければならない」、「ぜひ三条市民の皆さまと声を合わせ、一緒にこぶしを振り上げてこの新潟県を変えていこうではありませんか」と支援を求めた。

元県議の滝口恵介選対本部長はあいさつで、民主党が議席を失った4年間の差は非常に大きいが、「もう追い付いてきた」とし、追い越すには「もう一歩、踏み込んで皆さんの力を借りざるを得ない」と支持者の力が大きく左右することを強調した。

菊田真紀子衆院議員は、不人気な民主党からの出馬は「燃える情熱、意気込みがなければ政治はやれない」、「情熱をもってチャレンジしてくれることをありがたく思うとともに責任を感じる」と気を引き締めた。

 菊田衆院議員
菊田衆院議員

国会は自民党の圧倒的多数を占め、みんな数の力で議員はおとなしくなり、安倍政権は憲法の解釈変更で集団的自衛権も認められるようにし、統一地方選があるため5月の連休の先まで本格的な議論を先送りしたのは「姑息(こそく)」と批判した。

大企業のようには賃金を上げられない企業がたくさんあるが、「本当に苦しんでいる人たちを自民党はすくい上げられない」。それを「県政から変えていく、代弁者を藤田さんに託してほしい」と求めた。

今の県政は国を見ているのか、市町村を見ているのかわからず、県庁の職員は国の官僚以上に官僚的と思うことがあると指摘。「県庁の職員の尻をたたいて、スピード感をもって国を見てるんじゃない、三条市を見て仕事をしろという県会議員を絶対にここから出してほしい」と願った。

国定市長は「正直に話をします」、藤田氏が県会に出るといったときに「反対した。やめてくれと」。藤田氏は国定市政を最初から最後まで支えてくれ、一市民を市議にさせてしまった、同志のなかの同志。素直に県政におくりだせず、「実は今でも反対」。

国定市長
国定市長

しかし、市議を辞めて孤軍奮闘にする藤田氏に「わたしの考えの方が浅はかだと思うようになった」、出馬の意向を伝えられたとき「お前のせいで、おれは県政に出るんだと言われたように感じている」。

県知事とあつれきが生じたことがあり、「わたしの不器用な行動が三条市政を県政レベルにおいて停滞させてはいけない。おそらくその一心」で藤田氏はリスクをおかして市議を辞め、県議選に立候補したと思う。「間違っていたのは、わたしの方。どうか皆さん、藤田さんの心意気を藤田さんの三条市に対するこの熱き思いを何とか形にしてやっていただけないか」と求めた。

「この真心さえあれば、三条と新潟県とを結ぶ大切な、大切な架け橋となることは間違いない」、「わたしのようなふがいない人間が三条市長をしているからこそ、新潟県のために、おれがひと肌脱いだんだ、その気持ちは間違いなく新潟県庁の多くの職員の胸に響いているはず。何よりもその思いが泉田知事に届いていると確信する」。

そして「わたしと藤田さんとの架け橋はすでにつながっている。あとは県議選をくぐり抜けてもうひとつの架け橋をつなげば、見事な橋が完成するはず」とダブル・ミーニング的な言葉で締めくくった。

高橋一夫元市長は、市長時代に三条市と姉妹都市を結んだカナダのバーン市の市会議や県会議員の数の少なさ、県と市町村の近さを引き合いに出し、藤田氏に県議となっても市議会にオブザーバーとして参加するような「まったく新しい県議像をつくっていただきたい」と期待した。

高橋元市長
高橋元市長

日本の原発事故でドイツは原発をやめる方向へ転換し、国内では国会議員の削減や政務調査費の問題、沖縄県知事と会わないといったことをあげて、「安倍さんがやっていることは、あべこべではないか」とやゆし、「懸命な市民なら8割は藤田さんに投票すると思う」と藤田氏の政治姿勢の正しさを評価した。

連合新潟県央地協の宮口貴章議長は、先の衆院選では期日前投票を頼んだが、今回は「投票日に直接、投票所へ行って藤田博史の実力を示していただきたい」と支持者を鼓舞。最後に「必勝コール」を行って閉会した。

連合新潟県央地協の宮口議長
連合新潟県央地協の宮口議長
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