鎚起銅器の玉川堂(玉川基行社長・燕市中央通2)は、マツダのデザインコンセプトである「魂動(こどう)」を鎚起銅器で表現した作品を「MAZDA × 玉川堂」として協働開発。4月14日から19日までイタリア・ミラノ市ブレラ地区で開かれるミラノデザインウィーク2015で発表される。
マツダの発表によると、マツダはミラノデザインウィークに今回が2回目の出展。「Mazda Design クルマはアート」を開き、デザイン研さんの過程で生まれたアートワークを「マツダCX-3」や「マツダロードスター」の最新モデルとともに展示するという。
玉川堂とマツダのつながりは、2年半ほど前に玉川堂を含む燕三条地域の工場見学ツアーにマツダのスタッフが参加したのが始まり。その後、玉川社長がマツダのデザイン本部でプレゼンしたり、情報交換したりして関係を深めるなかで、マツダから「魂動」をテーマにした鎚起銅器の制作の依頼を受けた。
この1年ほど試作を繰り返してマツダ側とともに制作を進め、完成させた。与えられたのは「魂動」のテーマだけで、玉川社長は「すべて玉川堂で考えてくれと。試作を繰り返して考えを一致させて完成させた」。作品からは「日本のものづくりの精神が込められていることを感じてもらえると思う」と確信する。作品はまだ鎚起銅器であるということくらいしか明らかにされておらず、すべては会場で発表される。
2011年、玉川堂はシャンパーニュの王者として知られるフランスの「KRUG(クリュッグ)」の依頼でシャンパンクーラーの制作でコラボレーションしている。コラボレーションでは、それ以来のビッグプロジェクトとなった。
こうした取り組みが「日本のものづくりの象徴とも言える燕三条ものづくりPRにもつながる」と玉川社長。近年、ニューヨークやパリを中心に海外展開を積極的に進めてきたが、「これを機にイタリアとのつながりにも期待したい」。
昨年、燕三条地域の工場を開放、見学してもらう事業「燕三条 工場の祭典」が、ミラノデザインウィークの家具の見本市「ミラノサローネ」に出展しているが、玉川堂では今回がミラノデザインウィークの本格的なデビューとなる。初日14日は玉川社長もミラノデザインウィークへ出向き、作品に対する評価やミラノデザインウィークの雰囲気を肌で確かめてくる。