弥彦の丘美術館は4日から5月31日まで企画展「黄昏(たそがれ)の国より 猪爪彦一油彩画展」を開いており、行動美術協会会員の猪爪彦一さん=新潟市西区=が描いた15点を展示している。
猪爪さんは1951年生まれで日本美術家連盟会員、新潟県美術家連盟会員でもあり、畳店を営みながら創作を続けている。
同美術館での個展は、09年の油彩画展、11年の銅版画展に続いて4年ぶり3回目。ことし制作した10号から50号までの作品を展示している。
カンバスに描かれているのは、猪爪さんの心象風景。全体を通してアースカラーに支配され、昆虫や植物が人間よりはるかに大きく描かれ、『ガリバー旅行記』のような非現実的なスケールの違和感にあふれる。
川が赤や黒で描かれ、地平線に浮かぶ月のような衛星、中空に浮かぶ物体。鳥や魚が象徴的に描かれ、登場する人物はどこの国ともつかない民族的な衣装をまとう。
猪爪さんの心の中に構築された世界を?爪さんが導かれるようにスケッチしてカンバスに再現しているかのよう。パラレルワールドのようにもうひとつの現実として存在するような不思議な気分にさせられる。
26日、5月6日、23日のいずれも午後2時から?爪さんによる作品解説会を開く。開場は毎日午前9時から午後4時半まで、入館料は高校生以上300円、小・中学生150円。問い合わせは同美術館(電話:0256-94-4875)へ。