三条凧(いか)合戦が3月24日、県指定無形民俗文化財「越後の凧合戦習俗」のひとつとして指定されたのに伴って10日、国定勇人三条市長から三条凧合戦を運営する三条凧協会(渡辺喜彦会長)に指定証書を伝達した。
三条凧合戦は毎年6月の第1土、日曜に行われ、隣町の白根大凧合戦と今町・中之島大凧合戦もそれと重なる日程で毎年行われている。この3つの凧合戦を合わせた「越後の凧合戦習俗」として無形民俗文化財(風俗慣習)に登録された。
信濃川水系の3地域で歴史や産業と深く関わり合いながら受け継がれてきたこと、旧暦の端午の節句に行う共通性と凧の形状や合戦方法に特徴的で独自性を保っている、凧は多様な技術の集約と伝承に多くの人が関わって製作され、地域社会の形成や維持に不可欠なものとなっていることなどを特徴とする。
伝達式には、三条凧協会から渡辺副会長ら3人が市役所を訪れ、国定市長が指定証書を読み上げて渡辺副会頭に手渡した。また、三条凧協会は今回の指定を記念して三条城将山吉孫次郎豊守の武者絵を描いた30枚ドと50枚ドと呼ばれる大きさの2つの六角凧を製作し、30枚ドを持参し、披露した。山吉氏は守りがかたく難攻不落と言われたと言われ、記念の凧も落ちないという縁起を担いだ。
渡辺副会長は、2009年ころに文化財の指定を受けようという動きがあったが、資料などがそろわなかったが、2、3年前から3つの凧合戦をあわせた形で働きかけて指定に至った。来年は「日本の凧の会」による秋の全国大会が開かれる前のタイミングでの指定を喜び、国定市長は3つの凧合戦の交流が深まることに期待した。