弥彦山の山開きとあわせて春の弥彦観光のシーズン幕開きを告げる弥彦湯かけまつりが11日、弥彦温泉街を中心に行われ、小雨がぱらつくあいにくの天気だったが数百人がかけ声をあわせて威勢良く湯曳き車を引いた。
その昔、弥彦の春は大々神楽の笛の音とともに始まり、大々講の元で連なって弥彦参拝でにぎわった。そのにぎわいの復活をと弥彦観光協会が始めた行事で、ことしで29回を数えた。昨年春に完成した多目的施設「ヤホール」でも昨年に続いて弥彦桜まつりが同時に開かれ、ステージイベントなどが行われた。
午前は弥彦山の山開きが行われ、午後から湯曳き車が弥彦駅前を出発した。湯曳き車には、弥彦公園内にある湯神社からくんだ神湯を載せ、駅前で開会式のあと弥彦芸妓の手踊りに続き、氏子青年会の会員らが木やり歌を披露して「えんやー!」のかけ声とともに湯曳き車につながった綱を観光客や参拝客もまじえた数百人が持って湯曳き車を引いた。
小雨がぱらついたが、温泉街の沿道のサクラはほぼ満開。湯曳き車の上からひしゃくで湯をまきながら進み、同時に担いだ湯を青笹につけて沿道の人たちに湯をふりかけて厄除開運、商売繁盛、病気平癒、学業成就、さらに弥彦観光の発展を祈った。
「ヤホール」前ではたる太鼓の演奏なども披露。弥彦神社の境内へ入る一の鳥居が近づくと、氏子青年会が戻す方向に綱を引いて綱引きのようになるいたずらもあり、しだいにヒートアップした。
拝殿から真っすぐ石畳の東参道からは、神湯の入った3基のたるみこしをかついで拝殿へ。とくに3基目はたるの神湯が空っぽになるほど激しくもんでから駆け足で拝殿へ入り、木やり、神事、三本締めなどを行ってしめくくった。たるに残った神湯は払い清めにと参拝者にペットボトルなどに入れて配布した。