廃校になった三条市立南小学校の校舎を活用した「三条ものづくり学校」の18日オープンを前に、17日午後4時から同施設で竣工式が行われた。
正面玄関前に設置したテントで行い、100人近くが参列。国定勇人三条市長は式辞で、嵐南小学校に統合された3小学校のうち2校は耐震補強工事を行っても維持できず、南小だけが活用できることになり、「しっかり道筋をつけるのがわたしどもの役割」とし、まず地域の活動団体を優先的に地域交流施設に入居してもらい、それぞれの団体が新たな拠点として生かし、発展することを願った。
2つの思いとして、学校と呼ぶにふさわしい機能の伝承と、ものづくりの待ちとして機能の再生があり、さらに3つの役割としてインキュベーターとしての機能、人材とアイデアと中小企業のマッチング、子どもたちにものづくりのDNAを伝承する基盤をつくることをあげ、これまでの積み重ねの継承を願った。
斉藤弘文三条商工会議所会頭は祝辞で「またひとつ力強い三条市の産業を後押ししてくれるものと深く期待する」、「ぜひこの施設が立派に運営されるようにわれわれも本当に全力を尽くして協力する所存」とした。
玄関前でテープカットと玄関外の壁に設置した「三条ものづくり学校」のロゴの除幕を行ってオープンし、内覧会、オープンパーティーなどが行われた。
同校は昨年3月末で廃校になった南小をリノベーションした。デスクが決まっていないコワーキングスペースの共有事務所(月額利用料5,800円)12区画、教室1室分の貸事務室(66平方メートル・月額利用料58,000円)4室、教室を半分に仕切った貸事務室(33平方メートル・同29,000円)6室を賃貸する。
ほかに商品や技術の展示やワークショップのスペースになるギャラリー、施設入居者が無料で図書を利用できるライブラリー、市内の佐久間食品とカフェDO*DOが運営するカフェ、地域交流施設などを備える。地域交流施設には、すでに1日から三条市青少年育成センター、男女共同参画センター、三条地区保護司会、三条地域若者サポートステーション、みなみつばさコミュニティーなどが入居している。
床はタイルをはがし、1階は天井をはがして配線などをわざとむきだしするとともに天井を高く見せる。3Dプリンター3台を設置した部屋やほとんど手を入れていない教室もあり、全体的には学校の雰囲気を意識的に強く残してながらリノベーションを行った。これらの改修などにかかった費用は、耐震補強を含めて約4億円。
運営を行うのは、株式会社ものづくり学校(高山勝樹代表取締役・東京都千代田区一番町)。東京都世田谷区池尻の「IID 世田谷ものづくり学校」、島根県隠岐の島町の「隠岐の島ものづくり学校」に続き、同社が運営する全国で3校目の「ものづくり学校」となった。
翌18日のオープンでは、午前10時から午後4時までオープニングイベントが行われる。ワークショップ、企画展示、“Love Sanoプロジェクト”のコペン開発チームによるトークショー「地域の技術集積を活かしたものづくり」と実車展示、施設内覧会などが行われる。